「申し訳なく思っています」と保健所担当者は平謝り 遅れた事情は...
J-CASTニュースは大阪市保健所に取材し、会社経営者の男性のケースについて尋ねた。応対した感染症対策課の担当者は終始、申し訳なさそうだった。
「ご迷惑をかけてしまい、申し訳なく思っています。感染者への相談業務などのため、応援職員や外部委託業者を加えて増員していますが、COCOAや処理番号などの対応について、全ての職員に行き渡っているかというと、不十分な点があるのは事実です」
その上で、処理番号の発行が遅れた背景事情についてこう話した。
「大阪市ではまだHER-SYSへの完全移行ができておらず、陽性者が出た場合に国に入力を代行してもらっています。その過程でお待たせしてしまったのかも知れません」
大阪市はHER-SYSの導入中で、少なくとも導入前の7月末までは、陽性者の情報を保健所の職員が打ち込んでメールで厚労省に送り、それを厚労省の担当者が代わりにHER-SYSに入力して処理番号を発行するという流れだった。こうした「ひと手間」かける作業フローが、処理番号発行の遅れにつながったのかも知れない。
大阪市以外では、保健所を設置する都道府県や政令指定都市など全国155の自治体のうち、東京都と都内23市区、大阪府と大阪市など府内7市が7月末まで利用していなかった。各自治体の個人情報取り扱いの手続きに時間がかかったことなどの理由からだ。
一方、HER-SYSを6月に導入していた名古屋市中心部にある保健所でも、似たような事例が起きていた。