2020年8月9日に放送された「ワイドナショー」(フジテレビ系)で、ダウンタウンの松本人志さん(56)が思わずボヤいてしまう一幕があった。
番組冒頭、新型コロナウイルスについての特集が始まり、4日に大阪府の吉村洋文知事が行った会見がきっかけで発生した、ポビドンヨードを含むうがい薬の買い占め騒動ついてのVTRが流れた後、画面はスタジオへ。
「瑠麗さんが言うと正解言うんで」
騒動について、パネリストを務めるヒロミさんと西川貴教さんが意見を述べた後、司会を務める東野幸治さんが、同じくパネリストを務める松本さんに話を振ったのだが、その際に「事件」が起きた。
騒動について、ヒロミさんは、騒動が続く中で希望らしきものが見えたため、それに吉村知事が飛びついてしまったのではないかとする趣旨の発言を行ったほか、西川さんはうがい薬の転売をたしなめる意見を述べたが、これらを聞き終えた東野さんは松本さんに対し、「これ、もう、先に松本さんに聞いときます。瑠麗さんが言うと正解言うんで」と、あたかも、番組に出演する三浦瑠麗さん(39)以外のパネリストの意見は「不正解」ばかりであると言わんばかりの表現で松本さんに水を向けた。
かなり失礼(?)な一言に対し、スタジオ内ではスタッフが大爆笑。まさかの「失言」に対し、松本さんは「だったら瑠麗さんに行ってくれるかな」としかめっ面。すかさず西川さんが「我々、何やったんですか? ヒロミさんと僕、何なんすか?」と畳みかけたほか、そのヒロミさんは「お前、どういうつもりで呼んでるんだ?」とツッコむなど議論は紛糾。さらに、松本さんは「悪いよなー。ほんと悪いぞお前」と容赦なくツッコんだ。
いろんな意見があるのが「ワイドナショー」の良さなので...
これに対し、東野さんは「いろんな意見があって、『正論よなー』『訳わからん意見やなー』というのがあって、これがワイドナショーですから。瑠麗さんに最初に言ってもらうと、皆さんしゃべりづらいと思って」と、過激な聞こえ方になってしまった自らの発言について釈明。確かに、同番組で三浦さんは、さまざまな意見が出た後に一筋の方向性を示す意見を述べることが多く、ゆえに、そのような役割を期待されている立場だ。ゆえに、東野さんの発言は過激には聞こえるものの、司会者としてのバランス感覚を踏まえた上での発言だったのだ。
事実、この後、三浦さんは松本さんが、「偉そうですけど、この(吉村知事の)アグレッシブさは買ってあげたい」といった意見を述べた後、3人の意見を包括しつつ、「都道府県の知事にはものすごい重圧がかかっている」としつつ、そのプレッシャーが吉村知事の口から勇み足的な発言が飛び出す一因となったのではないかとする自らの考えを披露。
結果、議論は収束の様子を見せ、番組は平常に戻ったのだった。これらを考えると、東野さんの指摘はパネリスト全員の役割をきちんと見切った上での、そして、ギリギリ許される「失言」だったのかもしれない。
(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)