大規模再開発が今後目白押し
外国人観光客の回復は当面見込めないものの、TDRの再開に株式市場が期待したのは、「ランド」「シー」の開園以来となる大規模再開発が今後目白押しだからという事情がある。「ランド」では、感染拡大の影響で4月15日の開業を延期した、「美女と野獣」の大型アトラクションを中心としたエリアが工事を概ね完了しており、あとは開業日決定に向けた最終調整を残すばかり。「シー」では2023年度の開業に向けて、平面駐車場を転用した約10ヘクタールの土地に「魔法の泉」をテーマにした新エリアの建設を進めており、「アナと雪の女王」などのアトラクション4施設とレストラン3カ所が新設される。投資額は「ランド」で約750億円、「シー」で約2500億円に達する。「シー」の新エリアだけで年間約500億円の増収を見込んでおり、中長期では成長が手堅いと市場は予想しているのだ。
もっとも、国内各地で感染「第2波」が現実味を帯びるようになり、OLCの株価も再び下落傾向にある。再開した「ランド」「シー」では「3密」を避けるために入園者数を大幅に制限しており、「利益が出ていない」という見方もある。ただ、「第2波」も収束して、入園者数の制限も徐々に緩和していければ、収益力が再び回復するのは確実であり、株価は感染状況をにらんだ動きになりそうだ。