「ただでさえコロナ感染症への対応に逼迫」
吉村知事は会見中に「(ポビドンヨードが)コロナに効くのではないか」と発言するなど、ポビドンヨードの有効性を視聴者に印象付けた。しかし、こうした発言について保険医協会は「医療品やワクチンなど医療に関わる人間なら簡単に『効く』『効果がある』、『治験の対象者は◯◯』などは発信できる内容でない」とし、「知事という立場からすればあまりにも無責任な発言」と批判した。
吉村知事は会見で「不必要な買い占めはぜひやめていただきたい」と呼びかけたが、会見後には各地の薬局やドラッグストアでうがい薬の売り切れが相次いだ。保険医協会は「『買占めをしないで』といくら言っても、『強化月間』を指定し『効果がある』という発言は当然住民の気持ちを煽る」ことになるとし、消費の混乱を招いた知事の対応を批判した。
混乱が生じたのは店だけではないようだ。会見後の医療現場ではうがい薬の処方に関して患者から『保険で処方は可能なのか』『投薬期間はどこまで可能か』などの質問があったといい、「ただでさえコロナ感染症への対応に逼迫する医療現場は混乱させられている」と説明した。
保険医協会は声明の最後に「医薬品の不足は人命にかかわることである。吉村知事には自身の発言が招いた事態を鑑み、知事の発言は住民の命と健康に関わることを肝に銘じ、猛省してもらいたい」と訴えた。