ポビドンヨードうがい薬、需要急増で「出荷制限」も 吉村会見は寝耳に水...「今日明日で増産できるようなものではない」

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もともと需要「高止まり」でフル稼働なのに...

   医療用医薬品(処方薬)を手がけるMeiji Seika ファルマ(東京都中央区)の広報は取材に、ポビドンヨード製剤について「安定供給上の在庫の問題はありませんが、一過性の受注増加があったため、8月5日午後に『出荷調整』のご案内を出しています」と明かす。通常の発注量で問題が起きることはないが、製品の偏在を防ぐための措置。「過剰な量の発注があった場合、注文量に対して出荷量を調整することがあります」と話した。

   同じ明治グループで一般用医薬品(市販薬)を手がける明治(東京都中央区)の広報は、「出荷制限はしていません。というより制限できる状況ではありません」と取材に話す。というのも、新型コロナウイルスの感染が広まってきた2月ごろから現在まで、同社ではうがい薬の需要が高止まり。工場をフル稼働して生産を続けており、「備蓄や在庫を抱えられる状態ではない」という。

   つまり、もともと生産能力をフル活用して供給していたところに、8月4日の会見でさらなる需要が加わった。これ以上の増産は「現状検討しておらず、増産の打診も受けていない」(明治の広報)という。ポビドンヨードうがい薬でのうがいを励行することは「皆様と同じで、会見で初めて知った」(同)とのことだった。

   吉村知事が会見で製品名を出した「イソジン」の販売・流通を手がける塩野義製薬(大阪市)(製造はムンディファーマ)は、「一般用のイソジンは品薄状態で影響が出ています。医療用のほうは通常通り供給できています」と話す。一般用については「在庫をすべて出さないと追いつかない状況。品薄、ニーズにこたえられるよう生産体制の構築を進めています」との見通しを示した。

   大阪府・市の会見内容はやはり事前には知らず、「お問い合わせはかなり頂いておりますが、お答えできないことが多いです」(塩野義製薬の広報)と現状を明かした。

(J-CASTニュース編集部 青木正典)

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