運営会社「モニタリング体制を見直す」
医師に十分な報酬を支払わなければ、質の担保は難しいとの指摘も目立った。同サービスの求人ページによれば、報酬は「いますぐ相談」「予約相談」が1件1400円、「あとから回答」が同700円。
また、募集要項では「専⾨医資格等は必要ございません」「相談対応可能な診療科を⾃⼰申告いただきます」「相談対応の仕⽅は先⽣の⾃由です!」と案内する。ニーズの急拡大により医師確保を最優先し、審査や事前説明が不十分だった可能性もある。
LINEヘルスケアは8月2日、LINE上で「医師1名において、お客様に対して、利用規約違反の行為が確認されました」と報告し、「今回の事態により、お客様のお心を傷つけ、多大なるご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます」と謝罪した。
この医師は利用停止処分とし、「しかるべき措置」を講じるという。これまでは、医師・相談者の同意に基づき、「キーワード検索による自動モニタリングや通報時の個別の相談内容の確認」をしていたが、再発防止策としてモニタリング体制を強化する。
今回の問題の根本的な原因は、モニタリング体制の不備にあるのか。LINE広報は3日、J-CASTニュースの取材に、次のように答えた。
「厚労省のオンライン診療ガイドラインをもとにLINEヘルスケア社独自の医師向けガイドラインを作成しており、24時間365日モニタリングを実施しております。しかしながら、医師と相談者の間のコミュニケーションは、電気通信事業法上の通信の秘密に当たり、また医師法上も医師の守秘義務の対象として、弊社を含む第三者がみだりに内容を閲覧することは制限されております。そのため、弊社では、双方の事前同意の範囲内で、自動モニタリングを実施しております。今後は、キーワードの見直しを含むモニタリング体制等の見直しを図り、再発防止策を検討、対応してまいります」
医師の登録においては審査をしているとし、「医師免許および本人確認を徹底し、当社所定の基準を満たした医師に参加頂いております。さらに、参加する医師には当社ガイドライン、各種法規制の遵守する事に同意頂いております」
報酬の見直しについては、「具体的な金額については、公開しておりませんので、お応えできかねます」と回答を避けた。