「時間帯別運賃」注目高まる背景 ラッシュ回避に期待も...課題は?

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   2020年7月22日の記者会見でJR西日本の長谷川一明社長が、「時間帯別運賃」の検討を始めたことを明らかにしたと各社が報じた。

   時間帯別運賃の導入は東京都知事選挙から話題になってきた。今回は東京都知事選から今日に至る時間帯別運賃の話題を整理する。

  • (JR東日本、中央本線の電車)
    (JR東日本、中央本線の電車)
  • (JR西日本の看板列車、新快速)
    (JR西日本の看板列車、新快速)
  • (JR東日本、中央本線の電車)
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東京都知事選で取り上げられた時間帯別運賃の導入

   5月25日に緊急事態宣言が全面的に解除され、都市圏では朝ラッシュ時を中心に満員電車が復活しつつある。三密な満員電車を減らすにはどうすればいいのか、そこで登場したのが時間帯別運賃の導入である。つまり、ラッシュ時間帯において普通運賃を値上げし、混雑を分散させようという考えだ。交通系ICカードが普及した現在だからこそ生まれたアイディアともいえる。

   意外にも時間帯別運賃が「ある程度」大々的に取り上げられたのは東京都知事選挙(6月18日告示、7月5日投開票)のときだった。

   同選挙に立候補した「NHKから国民を守る党」立花孝志党首は自身が設立した「ホリエモン新党」公認という立場で、堀江貴文著『東京改造計画』の実現を公約として掲げ、選挙戦にのぞんだ。『東京改造計画』にはピークタイム(ラッシュ時間帯)の普通運賃を高くすることが書かれていた。

   立花氏は街頭演説にて時間帯別運賃の導入を説明し、自身のYouTubeチャンネルなどを通じて全国に広めた。また、堀江貴文氏は自らのYouTubeチャンネルに掲載した動画にて満員電車に対する自身の考えを簡潔に説明している。

   JR東日本が「ホリエモン新党」の主張を聞き入れたということはないだろうが、東京都知事選挙が終わった7月7日、JR東日本の深沢祐二社長は定例会見にて時間帯別運賃の導入を検討していることを明らかにしていた。JR西の動きはこれに続くものだ。

一社単独だけでは難しい面も

   しかし、単独での時間帯別運賃の導入は難しいだろう。たとえば大阪と神戸を結ぶJR神戸線と阪急神戸本線は並走しており、JRの駅と阪急の駅が200mほどしか離れていないケースもある。

   かりにJR西日本だけが時間帯別運賃を導入すると、駅によっては普通運賃が安い阪急神戸本線に利用客が押し寄せることが予想される。輸送バランスが崩れると元も子もない。時間帯別運賃の導入に際しては他交通機関とも調整しながら総合的に考える必要がある。

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