ライブとは本来「時間を共有する」ということ
ライブの主催者からすれば、こうしたトラブルの発生によって、配信に向けて準備してきたものが水泡に帰す可能性もある。音楽ジャーナリストの柴さんは「配信ライブを有料で行う、ということが浸透していく過渡期であるがゆえの問題」だとしつつ、主催者側が配信に複数のプラットフォームを使う「リスクヘッジ」をすることも重要だと指摘する。
具体的には8つのプラットフォームを用い、大きなトラブルが見られなかったサザンオールスターズのライブを引き合いに出し、「何万人、何十万人と集まるようなことが予想されるアーティストであればあるほど、プラットフォームは分散化したほうがいい」と語る。
視聴者は、こういったリスクにどう向き合っていくべきだろうか。柴さんは、
「アーティストがどれだけいいパフォーマンスをしても、その映像がブチブチと途切れてしまったら、当然視聴に耐えられるものではなくなる。ライブとは本来『時間を共有する』ということ。アーカイブを見れたからといってそれでOKというわけではない」
と厳しい言葉を投げかける。その上で、より良い配信環境を作るためにも、プラットフォームにはトラブルの再発防止を要求していくことが重要だと指摘する。