ZAIKOのCOO「ラッキーだった」
有料ライブ配信の普及で、新たな市場を開拓した企業もある。
「4ヶ月前までは小さな『チケット・スタートアップ』としてやってきて、あまり注目されていなかった」
有料ライブ配信における主要プラットフォームの一つ「ZAIKO」を手がけるZAIKO株式会社のローレン・ローズ・コーカーCOO(最高執行責任者)は7月20日、J-CASTニュースの取材にこう答えた。 リアルイベントの電子チケット販売プラットフォームを手がけていたZAIKOは、コロナ禍によるイベントの相次ぐ中止を受け、今年3月から「ライブ配信」でも電子チケットを販売できるオプションを追加した。アーティストが「YouTube」や「Vimeo」といった動画配信サービスでライブを配信する際に、主催者側が有料のチケットを売ることができる仕組みだった。
この仕組みでチケットを販売したのが、先述の「cero」だった。ライブは業界関係者の高い評価を集め、ZAIKOの仕組みを通じて「有料の無観客ライブをやりたい」という問い合わせが相次いだ。チケット代とは別に、視聴者が追加料金を支払える「投げ銭」機能も、コロナ禍におけるアーティスト支援の新たな形として注目を浴びた。
ceroのライブ以降、大きな反響があったことについて、ローレンCOOは「バンドがクリエイティブで素晴らしいものを作り上げた。(そういう意味で)ZAIKOはラッキーだった」と振り返る。ZAIKOのデジタルメディアマーケティング主任を務める大野晃裕氏も、ceroのライブの成功が「他のイベンターさん、アーティストさんの背中を押したのでは」と分析した。