「『二股』とかあり得ない」 企業の人事担当者は...
こうした調査結果を、企業の採用担当者はどう受け止めるか。大手商社の人事部門の管理職(40代)は理解を示す。
「内定取り消しのニュースが大きく報じられたので、不安に感じるのは当然でしょうし、(複数社の内定を受諾することも)リスクヘッジとしてはやむを得ないですね。(我が社は)コロナ前から受諾後の事態も想定して、ある程度多めに採っています」
一方で、東京の産業部品メーカーの採用担当者(34)は否定的だ。
「内定に承諾した後の辞退は信義則違反でしょう。『二股』とかあり得ないです。配属の計画など、色んな悪影響があるので、入社直前に辞退とか迷惑でしかないです」
前述のMyReferの鈴木社長は企業側にこうアドバイスする。
「今年の就活はオンライン面接などだけで内定に至ったケースも多く、内定者にとっては内定先のリアルな情報がかなり少ないのです。企業は、内定を出したら『終わり』ではなく、その後も定期的に内定者とコミュニケーションをとり続けたり、内定者懇親会などを開いて企業と内定者、そして内定者同士の交流を深めたりして、つながりを深めていくことが大切です。その過程で辞退しそうな内定者もわかってくるので、対策も取りやすくなります」