女性向けの人気アパレルブランド「CECIL McBEE(セシルマクビー)」を展開するジャパンイマジネーションは、看板ブランドだったセシルマクビーの全43店舗を2020年11月までに閉店する。
ファッションビル「渋谷109」に主力店舗を構え、一時期は10代、20代の女性を中心に絶大な人気を集めたブランドの終焉にも、新型コロナウイルスが影響していた。
かつて「渋谷109の行列店」として知られたが...
同社が7月20日に発表したニュースリリース「ジャパンイマジネーショングループ事業再構築のお知らせ」によると、コロナ禍においても堅調な事業運営を継続している同社グループの4ブランド「Ank Rouge」「Jamie エーエヌケー」「DEICY」「STUNNING LURE」については完全子会社のスタニングルアーに集約して、店舗とEC(電子商取引)の両面で事業発展を目指すが、この4ブランド以外は店舗事業を順次撤退し、資産と商標権を保持しながら、ライセンス事業を展開するとしている。これに伴い、セシルマクビーの全店舗を含めて計92店舗を閉め、従業員の大半を解雇するという。
セシルマクビーは1990年代から2000年代にかけて、「ギャルブランド」の代表格として若い女性の人気を集め、渋谷109の行列店として知られるようになった。だが、ここ数年はブランドイメージの路線変更を図っていたといい、ブランドとしての「賞味期限切れ」を迎えていたという面もあった。これに駄目を押したのが、新型コロナウイルスがアパレル業界に及ぼすインパクトだった。
政府による緊急事態宣言が発令されていた4月から5月にかけて、アパレルの実店舗は軒並み休業を余儀なくされた。宣言が解除された後、徐々に営業を再開していったが、入り口での体温測定や店内における人数制限などを実施する店舗もあり、コロナ前のように「クリアランスセールには行列ができ、店内は大勢の客で身動きができないほど」といった営業をすれば、感染拡大のクラスターになりかねず、批判を浴びる。アパレルの店舗営業は転換点を迎えているのだ。