「別れを惜しむ期間に」
シャッツキステは「当初来年3月まで営業予定でしたが、2020年中の閉店になるかもしれません」(有井さん)という。メイドのマスク着用などの感染対策も続けるため、シャッツキステ独特の浮世離れした隠れ家感は損なわれるかもしれないが、「最後に行きたいというお客様が、別れを惜しむ期間になればと思います」と語る。秋葉原で営業を続けるメイドカフェへも「大変な状況の中、これからも秋葉原から面白いカルチャーを発信しよう、秋葉原に来る方の憩いの場を続けようと奮闘しているお店があります。皆様頑張ってください。お客様も機会がありましたらぜひ」とエールを送った。
14年間続けた「宝箱」は閉まるが、有井さんは「やりたかったことは全部やりきりました」とのことだ。「単純にメイドと言う存在が好きで、その上で人の役に立てるお店でありたいと思っていました。この場所で知り合って創作活動を始めた人たちもいます。オタクな皆さんにも人生の転機を提供できたのかなと思っています」と振り返る。
これからは「1人のメイド好きに戻って、ゆるく絵や同人誌を描いたりするかもしれません。『田舎町の素朴なメイド』系が好きな方は引き続き宜しくお願いします(笑)」という有井さん。閉店の知らせには惜しむ声や感謝、過去の思い出がネット上にあふれた。オタクな人たちの「好き」が結実してできた文化は、交流の舞台になった場が閉じても継承されていきそうだ。
(J-CASTニュース編集部 大宮高史)