BiSHや「豆柴の大群」といった人気女性アイドルグループを抱える音楽プロダクション「WACK」(東京都渋谷区)が、ライブ最前列の確約などをうたったプラチナムコースを100万円で販売したところ、ライブが変更になって一般と同じ7500円を払い戻すことになった。
このことについて、ツイッター上では、100万円を支払った人がかわいそうではないかとの声も出ている。7500円しか払い戻さないことは当初から明記してあったが、WACKの渡辺淳之介社長にその後の対処などを聞いた。
ショックではないかとの声が
BiSHや豆柴の大群など2020年2~3月に行う予定だったツアー6公演は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて相次いで中止された。これに対し、WACKでは、リベンジのライブを行うことを決め、クラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」上で4月10日、その資金集めを始め、リターンとして、プラチナムコースなどを用意した。
このコースでは、横浜市内で8月1日に行う予定だったライブの最前列席チケットを確約したほか、アイドルらの特典会に優先的に入れる1年有効のプラチナカード配布、渡辺社長とのランチ会参加などをうたった。100万円という高額コースのためか、35人の枠に対し、購入したのは6人だった。それでも、クラウドファンディングには、5000人以上から目標の10倍もの5000万円強が集まり、リベンジプロジェクトが動き出すことになった。
ところが、その後も感染拡大は続き、7月28日になって、8月1日のライブは、無観客有料配信に変更されることが公式サイトで発表された。クラウドファンディングでは、ライブが中止になっても、プラチナムコースの購入者には一般と同じ7500円しか払い戻さないと明記していたが、ツイッター上では、100万円を支払った人にはショックではないかと投稿があり、1万件以上もリツイートされる騒ぎになっている。
「どう見るかは客の判断だが、個別に対処したい」
クラウドファンディングを巡っては、納豆料理を店で提供する会社が一部の資金提供者から生涯使えるパスポートを「取り上げた」などとトラブルになった事例も知られている。それだけに、ツイッター上では、資金提供者への待遇に関心が集まり、「これはさすがに可哀想すぎる」「無観客じゃなくて『最前列のみライブ』でも良いのでは」といった声が寄せられた。
一方で、「注意事項読んだ上で100万円入れてると思うのでいいのでは...?」「客商売だから99万円は何かしらのフォローは入ると思う」などと7500円の払い戻しに理解を示す向きもあった。
WACKの渡辺社長は7月29日、J-CASTニュースの取材に対し、次のように説明した。
「すごいリツイートの数で、驚いています。法的な問題などがあるのかはよく分からないのですが、CAMPFIRE側とは話し合いの場を持ちました。最前列確約を除いたコース内容をどう見るのかは、お客さまの判断になると思います。3か月で30万円する僕のオンラインサロンには、30人のお客さまが参加されており、こうした内容には納得されて入っているのではないかと思っています」
ライブ最前席がなくなったことの代替案があるかについては、こう話した。
「その件は、まだコースのお客さまとお話ができていないので、話せません。お客さまから問い合わせがあったかなども、お答えできないです。僕としては、100万円をお支払いになった特別なお客さまに対しては、個別に対処しないといけないとは考えています」
(J-CASTニュース編集部 野口博之)