大学1年生というツイッターユーザーが、大学に1度も行けずにオンライン授業を受け続ける辛さを描いた4コマ漫画を投稿し、反響を呼んでいる。
叱咤激励も含めて、漫画に対しては、様々な意見が寄せられているようだ。
小中高生は学校に通い、Go To トラベルも始まったが...
髪をややショートカットにした若い女性らしき主人公が、ノートブックなどを両手に抱えて微笑んでいる。大学入学を控え、期待に胸を膨らませているかのようだ。
しかし、2020年4月、実際に入学となると、厳しい現実が待っていた。
「大学には一度も行けていない」「同級生の顔も知らない」...
最初の4コマ目の最後には、部屋にこもってパソコンの画面に向かい、オンライン授業を受ける主人公の後ろ姿が描かれている。どこか寂しげだ。
この主人公は、入学しても、新型コロナウイルスの感染拡大で大学が休校になったためか、出会いと新生活が始まらない。5月に入って、大学でオンライン授業が始まったところから、次の4コマが続く。7月まで家で課題をこなすも、窓からは、学校が始まった小中高生の楽しげな姿が見えたり、会社帰りに同僚らと飲んで帰る様子の会話が聞こえたり...。
3つ目の4コマでは、相談できる友達や先輩もいないまま、慣れないソフトの使い方に格闘する日々の戸惑いが描かれる。父や弟が次々に会社や学校から帰って来るが、どうしても自分と比較してしまい、「どうして大学は始まらないの?」と涙がこぼれてしまう。
最後の4コマは、政府の「Go To トラベルキャンペーン」が7月22日からスタートし、その様子を伝えるテレビのニュースを見る姿で始まる。「旅行には行ってもいいのに」などとつぶやいて...というストーリーだ。
「合格発表もオンラインだったし、大学に行ったのは入試が最後」
この漫画を描いたmakiさん(@D6Hy1q0FQJuxtPO)は、7月17日にツイッターで漫画を投稿し、「大学生は、いつまで我慢をすればいいのでしょうか」と疑問を投げかけた。ツイートには、「#大学生の日常も大事だ」とのハッシュタグを付け、拡散を呼びかけている。
その後のツイートでは、共感してもらえた投稿をリツイートするとともに、「合格発表もオンラインだったし、大学に行ったのは入試が最後」「1人でも多くの人に大学生の現状を知ってほしい」とつぶやいている。
オンライン授業に閉口している学生も多いためか、漫画の投稿は、大きな反響を呼び、「いいね」が30万件ほども付いている。
内容については、ツイッター上で様々な意見が寄せられている。
都内の有名私立大学のある学生は、「本当に共感」と明かし、「これは全世代の方に見てもらいたい漫画です。大学生の現状を知ってください」と呼びかけた。別の私立大学1年生は、「大学生が学校に行くのは不要不急の外出になるんですか。もう行かせてよ。大学だけがこの状況なのおかしいよ」と訴えていた。
一方で、漫画の主人公に対するアドバイスも寄せられており、薬科大学2年生は、「オンライン授業も意外と良い所沢山ですよ、授業聞き逃すこともないですし、分からないところは何度も説明を受けれる」として、「お友達作りはTwitterやLINEでは難しいのですかね、、?」と問いかけた。
このほか、「おんなじ歳で勤労、納税している若者がいることを忘れてる」「時間ができるのだから、就職のために資格取ったり、生き抜くための努力に費やす」「この状況で外出せずに過ごせる環境のありがたみを知るべき」といった指摘もあった。
makiさんは7月28日、J-CASTニュースの取材に対し、4コマ漫画は自らが描いたと答えた。オンライン授業の辛い点については、「それぞれ大学や、人によって苦労するポイントは違うし沢山あると思います。オンライン授業という新しい取り組みなわけですから、教員も生徒も苦労があるのは当たり前でしょう。だけどやはりオンラインだと、先生が生徒の状況が分からない状態なので、学びの質は下がってしまうと思います」と返信を寄せた。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)