プロ野球のDeNAは2020年7月28日、東京ドームで巨人と対戦し2-4で敗れた。先発・井納翔一投手(34)が5回3失点と試合を作り、6回には佐野恵太外野手(25)のソロ本塁打で1点差に詰め寄った。2番手・石田健大投手(27)が6回、7回を無失点に抑えたものの、3番手エドウィン・エスコバー投手(28)が8回に1点を失った。打線は9安打を放ちながらも2得点にとどまり、チームの借金は「2」となった。
ことごとく接戦ものに出来ず...
1-1の同点で迎えた2回の攻撃。巨人のエース菅野智之投手(31)を早めに攻略したい場面で、指揮官は独自の采配を振るった。1死から柴田竜拓内野手(26)が四球を選び、次の打者は投手の井納。セオリーならば井納にバントで送らせ、1番・梶谷隆幸外野手(31)につなぐ場面だ。ところが打席の井納は一度もバントの構えを見せず三振に打ち取られ、得点のチャンスを作ることが出来なかった。
今シーズン、投手のバントを巡ってアレックス・ラミレス監督(45)が「迷走」している。7月17日の巨人戦では5回1死1塁の場面で井納に送らせず三振。19日の巨人戦でも2回1死1塁で平良拳太郎投手(25)に打たせライトフライでチャンスを潰した。周囲の声が気になったのか、21日のヤクルト戦では2回無死1塁の場面でマイケル・ピープルズ投手(28)にバントをさせた。そしてこの日の井納の強攻だ。
7月に入ってから接戦の試合をものにできないでいる。4点差以上つけられての敗戦は2試合だけで、15日からの6連敗も大差の敗戦は16日の中日戦の0-8のみ。残り5敗は1点、2点差の接戦でやられている。チーム打率はリーグ2位の.277を記録するも盗塁はリーグ最少の「5」。強力打線の一方で機動力が影を潜め、ネット上ではラミレス采配を「雑な野球」と指摘するファンもいる。
巨人は1点を取りに行く野球を徹底
この日、ラミレス采配と対照的だったのが原辰徳監督(62)の采配だ。1点リードの8回、先頭の亀井善行外野手(38)がヒットで塁に出るとすかさず増田大輝内野手(27)を代走に送った。1死後、増田が2盗を決め、丸佳浩外野手(31)がタイムリーを放ち1点追加。抑えのエスコバーから足を絡めて効率よく1点を奪った。原監督の「1点を取りにいく野球」が勝敗を分けた。
7月15日からの6連敗後は1分けをはさんで3連勝と波に乗りかけたが、ここにきて2連敗。借金は「2」となり上位浮上のきっかけをつかめないでいる。29日はDeNA浜口遥大投手(25)、巨人・戸郷翔征投手(20)が先発のマウンドに上がる。首位・巨人とのゲーム差は6.5ゲーム。優勝を狙うためにはこれ以上は離されたくはない。DeNAの厳しい戦いが続く。