発表切り替えの「裏事情」とは
ただ、こうした説明を額面通り受け取る人は少ない。2019年のシェアは首位アサヒが36.9%で、2位のキリンは35.2%と、1.7ポイント差に肉薄しており、本麒麟の人気で「逆転は時間の問題」というのが業界の常識になっていた。このため、2020年2月の販売数量開示取りやめ発表には批判の声も出ていた。
今回、アサヒは金額だけを発表したが、各新聞、雑誌が独自にシェアを推定し、維持にしたというわけだ。このうち、例えば「日経ビジネス」(7月16日電子版)は次のように説明している。
「20年上半期の業界全体のビール類の販売数量は、流通への調査などから、前年同期比で約90%とビール大手各社は推定している。この数字から、アサヒを除く3社の上半期の販売数量(各社の開示データから本誌算出)を引くと、アサヒの販売数量の推定値が導ける」
新聞なども、同様の手法で推定したとみられ、その結果、上半期シェアは、キリン37.6%、アサヒ34.2%となったとされる。
それはさておき、今後のビール系飲料全体の動向、各社シェアなどはどうなっていくだろうか。