気になる利用料金は? 通常便の12倍の場合も
「手頃」といっても億単位だ。ジャンボ機ほどではないにしても、保有コストはばかにならないはずだが...。
実は、ANAビジネスジェットは、親会社のようにジェット機そのものを1台も保有していない。ライバルのJALも丸紅との合弁で2019年1月に「JALビジネスアビエーション」を設立して参入しているが、こちらもジェット機は持っていない。
両社とも、世界で2000社ほどあるプライベートジェットを保有する運行会社や、個人・法人のオーナーから機体をレンタルし、顧客が希望する航路・旅程に合わせてフライトをアレンジする旅行業、つまり「手配屋」なのだ。
ANAビジネスジェットのパンフレットに、その価格体系の一端が示されていた。実際は顧客のリクエストに合わせたオーダーメードの旅となるため、その都度費用は異なるが、例えば、最大十数人が乗れる機体で東京から中国の上海→南昌→重慶をめぐって再び東京に戻るフライトの場合、2000万円から可能だ、とある。同じ機体で東京とハワイを往復する場合は2300万円からだという。
国内チャーターのケースも同じパンフレットにあった。例えば、羽田―下地島(沖縄県宮古島市)を客席が8人分あるジェットで往復するなら1200万円から。一般機のエコノミーで移動する場合、羽田―宮古は往復で1人約12万円(正規料金)。8人分とすれば、計約97万円の計算だ。プライベートジェットでの旅の12分の1にあたる。
さて、あなたは値段を取るか。それとも「時間をお金で買う」ことで、好きな時に飛べ、コロナ感染のリスクもより少ない旅を取るか。