「オフィス離れ」は進むのか
こうした動きから都心などでは解約の動きがじわじわ広がっている。オフィス仲介の三鬼商事が発表した6月の東京都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)のオフィス平均空室率は前月比0.33ポイント上昇し、1.97%になった。水準としてはなお歴史的な低さだが、悪化は4カ月連続で、今回の上昇幅は2010年2月以来、10年4カ月ぶりの大きさだ。
都心の大型ビルなどでは、対処申し込みが相次ぐといった事態は生じていないが、ある不動産関係者は「オフィス需要はコロナ問題前から、そろそろピークとの声があった。オフィス離れが進めば今後が心配だ」と、不動産市場の異変への警戒感を隠さない。