機内の飲み物は限定 客室乗務員はマスク、ビニール手袋の着用必須
コロナ後は機内でのサービスも大きく様変わりした。
ANAの機内では、座席ごとに置かれていた機内誌を撤去。求められた場合のみ手渡し、回収したらその都度廃棄しているという。乗客からの要望に応じて配っていた毛布や枕のほか、新聞紙などの提供も休止した。
「コロナ前」は様々な種類の飲み物を客室乗務員がコップに注いで提供していたが、コロナ禍でメニューをお茶とりんごジュースの2種類に絞った。6月はそれらを紙パック入りで配り、7月以降は2種類限定のまま、コップに注いで蓋をして提供する方式にした。
客室乗務員は乗務中、全員がマスクとビニール手袋を着用。飲み物などの提供時はトレーに載せて手渡し、乗客と直接触れないようにしている。
機内の消毒も徹底しており、テーブルや肘掛け、トイレのドアノブなど乗客の手が触れる部分はアルコールで消毒している。国際便は毎便、国際線は毎日夜間に作業している。
一方、乗客に対しても、ANA、JALともが空港内や機内でのマスクの着用を求めている。両社とも、マスクの着用依頼に従わない場合は搭乗を断るとしている。
7月22日午後、4連休を実家で過ごすため、福岡空港から羽田空港に家族連れで到着した主婦の女性(32)は、様変わりした機内の様子についてこう語った。
「機内アナウンスで何度も換気や感染対策について教えてくれたので安心できました。キャビンアテンダントの皆さんもすごく気を配ってくれていたのでリラックスできました」
こうした新型コロナウイルスの感染防止のために投じている多大なコストについて、ANA、JALともに「公開できる数字がない」としている。