「冷夏」がやってくる!? ネットの噂に騒然も...実際は?気象庁に見通しを聞いた

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   台風の発生が少なく、東北の太平洋側で「山背」と呼ばれる北東風が吹き続いている――。

   このことから、「冷夏では」と農家のうわさになっていると、ツイッターで紹介されて話題になっている。

  • 気象庁が発表した3か月予報
    気象庁が発表した3か月予報
  • 気象庁が発表した3か月予報

「農作物に影響が出なければよいのだが‥」

「いつになったら盛夏はやってくるのでしょう...。毎日寒い」
「空梅雨で水不足も困りますが、 日照不足で冷夏も困りますよね」
「冷夏などになって農作物に影響が出なければよいのだが‥」

   東京で19日連続で雨が降り、九州などでは豪雨被害が相次ぐなど、長引く梅雨に対して、ツイッター上などでは悲鳴が上がっている。

   そんな中で、東北地方の農家らの間でうわさになっていると、ツイッターで2020年7月20日ごろに紹介された内容が反響を呼んでいる。

   それによると、東北・太平洋側のある県の農家が口々に「今年は冷夏になる」と言っているという。長年の経験から、7月まで山背が吹き続け、台風が10個以上発生していない年は、必ず冷夏になったという。

   梅雨が長引いているだけに大きな話題を集め、このツイートには、「いいね」が10万件以上も付いている。

   気象関係のニュースによると、暖冬の影響で日本海などの海水温が高くなっており、オホーツク海高気圧が日本にまで張り出して、そこから吹く東風や北東風が強くなっている。これは、山を越えて吹いて来る「山背」が居座っているという体験談に合う。また、台風は、5、6月に1つずつ発生しただけで、平年よりも少なくなっている。

   こんな年は、冷夏になっているかどうかははっきりしないが、確かに気になるような気象状況だ。

「8月は晴れの日が続き、冷夏ではなく暑くなる見通し」

   長期的な気象の動向について、気象庁は7月22日、8~10月の3か月予報を発表した。

   それによると、向こう3か月の気温は、暖かい空気に覆われやすいため、「北日本では平年並か高く、東・西日本と沖縄・奄美では高い」とした。降水量については、「沖縄・奄美では南からの湿った空気の影響を受けやすく、平年並か多い見込み」としている。

   気象庁では、6~8月を夏季と位置付けており、8月については、「東・西日本と沖縄・奄美では、平年と同様に晴れの日が多い」「北日本では、天気は数日の周期で変わる」と予想した。9、10月についても、「平年と同様に晴れの日が多い」とするところが多くなっている。

   冷夏になる可能性があるかについて、気象庁の気候情報課は22日、J-CASTニュースの取材にこう答えた。

「長雨、日照不足が7月いっぱい続く予報で、その影響がないわけではありません。しかし、8月に入ると、高温に転じて、晴れの日も多くなるとみられます。平年より気温が低い冷夏ではなく、恐らく暖かい側のカテゴリーに入る可能性が高いと思います」

   短期的な熱波があるかは予測できないとしたものの、この夏が酷暑とも言えないとした。 台風の発生見通しについては、次のように話した。

「沖縄・奄美では、気温が高くなる見込みですが、台風の発生は、海面水温だけでは決まりません。渦を作りやすい大気循環の場があるなど、条件がいくつかあります。台風は、今のところ少ないですが、この後どうなるかは分からないですね」

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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