なぜ小型カメラに注目したのか
盗撮被害の当事者が声をあげたことを受け、「ナイト産業を守ろうの会」という団体が後方支援という形で署名活動に協力した。この団体は主に、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による国の対応について声を上げる活動をしているという。
「ナイト産業を守ろうの会」大阪支部のFU-KEN(匿名)さんは、自身も性風俗店を経営しており、以前から盗撮事件が増加していることを危惧していたと語る。
「性風俗店の経営者として10年経ちますが、年々盗撮事件が増えています。私の店でも、車のキー型やネックレス型の盗撮がありました。気付かないものも含めるともしかすると数はもっと多いかもしれません。自分自身も盗撮機器の規制について声を上げられないかと考えていたところに、ぴるぴるちゃんさん達の活動が始まったので是非協力したいと思いました」
そして、小型カメラに注目した理由についてはこう語る。
「うちの店ではスマホでの盗撮事件も起こっていますが、盗撮機器よりは気付きやすいと感じています。巧妙な機器が増えていること、それらがAmazonなどで売られていることにも問題を感じました。 また、韓国での盗撮(モルカ)のニュースを見て、性風俗店だけに限らない大きな問題だと感じました」
同団体の代表であり、行政書士の佐藤真さんも、
「小型カメラ等を使用する事で盗撮被害を被害者が気付きにくくなり、動画や静止画がネット上に拡散し、それにより回復困難な被害に遭う危険性を事前に阻止すべき点及び、盗撮犯罪を行う行為者がバレないだろうと容易に犯罪を決意し実行する心理的要因の抑止という点です」
と小型カメラの規制を求める理由を語った。
小型カメラは現在、ネット通販などで誰でも簡単に入手することが出来る。本来の用途は、「いじめ」、「DV」などの告発や防犯などとされており、性的な盗撮などは行わないように呼び掛けている販売サイトもある。しかし、このような販売業者2社に、J-CASTニュースは取材を試みたがどちらも断られてしまった。
署名の発起人である小川さんは、小型カメラでの盗撮は被害者が気づきがたいために被害の予防が困難であると述べる。
「私の身の回りの嬢のほとんどは『盗撮にあったことがある』『被害にあった子を知っている』と口を揃えて言っています。それほど多くの人が恐怖や不安と戦わなければいけないことはまず、おかしいし変えていくべきだと考えます。(署名サイトの)change.orgでも書きましたが、スパイカメラは盗撮犯罪を遂行する上で利用されやすく、かつ被害者は盗撮に気が付き難く、予防が困難なんです」