中国、予想外の成長率に落とし穴 コロナ不安で「報復的貯蓄」に走る市民

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期待した「リベンジ消費」が起きない

   しかし、投資と貿易だけで中国経済を発展させることは難しい。現在、中国は「国内国外経済双循環」という新戦略を作り、長期的構想に基づき、中国経済を輸出志向型から内需指向型へと転換させ、特に国内消費に経済を牽引させようとしている。

   にもかかわらず、コロナウイルスの影響が続く中、「中国の住民所得は強い消費能力を支えるには不足している」という事実がより際立って示された。統計局の各経済データの中で消費は足をひっぱる項目となっていて、さらには第2四半期の消費回復速度も遅れている。

   日用品の消費は2桁成長をみせているものの、自動車・建築内装、家電、外食などの分野ではいまだ2桁のマイナス成長となっている。このため、今年の経済回復を中国人の消費力に頼るというのは、あまり現実的ではない。

   経済雑誌『財経』は、7月18日にこのような記事を掲載した。

「2020年の上半期にコロナウイルスの感染拡大を食い止めてから、報復的消費が期待されたが、いまだにやってこなくて、報復的貯蓄だけはたえずに高まっている」

   実際、筆者の知り合いの若い記者たちは、ひごろあまり貯蓄せず、毎月ほぼ稼いだ金を全部使い果たしていた。しかし、コロナショックがやってきてから、取材の仕事は再開されても残業は減らされ、不景気をはじめて感じ、ほとんどの人が貯蓄の重要性を認識して、少しは貯蓄するようになっている。

   中央銀行である中国人民銀行が公表したデータによると、5月からすでに貯蓄の増加は目立つようになっている。

「5月の貯蓄残高は2.31兆元増であり、昨年同月比では1.09兆元増であった」

   コロナによる経済の先行き不安定のため、肝心の国内消費はなかなか盛り上がらない構図だ。「報復的貯蓄」は中国経済の安定成長を阻む要因にならないか、注目すべきであろう。

(在北京ジャーナリスト 陳言)

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