プロ野球の中日は2020年7月21日、ナゴヤドームで巨人と対戦し0-4の完封負けを喫した。巨人の先発・菅野智之投手(31)に全く手が出ず3安打に抑え込まれた。投げては先発・山本拓実投手(20)が5回もたず4回3分の2、4失点で降板。チームは今シーズン2度目の4連敗となり借金は今シーズン最多の「7」。首位・巨人とのゲーム差は8.5ゲームにまで広がった。
死球のビシエドが離脱ならば大打撃
菅野の前になすすべなくやられた。スコアボードにはゼロが並び、放った安打はわずかに3つ。得点のチャンスすら作れず11個の三振を奪われ巨人のエースに白星を献上。阪神と並ぶリーグワーストのチーム打率(.250)と、同じくリーグワーストの得点(93点)がそのまま反映したような試合だった。
20歳ながら先発ローテーションの一角を担う山本はここ数試合、苦しいマウンドが続いている。7月8日のヤクルト戦では3回5失点、14日のDeNA戦では3回3分の2、5失点でKOされている。この日は制球が定まらないなか4回まで2失点でしのいだが、5回2死から四球で走者を出し岡本和真内野手(24)に2ランを浴びた。2死から四球後の本塁打という最悪のパターンでKOされた。
主力の負傷が相次ぐなか、この日は主砲ダヤン・ビシエド内野手(31)が7回に左ヒジ付近に死球を受け途中退場。検査の結果、「左上腕三頭筋外側部の打撲」と診断され、骨折という最悪のケースは逃れた。中日野手陣においては、ソイロ・アルモンテ外野手(31)、高橋周平内野手(26)、平田良介外野手(32)が負傷により登録を抹消されており、短期にせよビシエドが離脱すれば大打撃となる。
今季は先制されると負けパターン続く
今シーズンは先発が先制を許すと試合をひっくり返すことが出来ずに負けるパターンが多く見られる。貧打に加えて中継ぎが崩れるため逆転ゲームが極端に少ない。ここまで先制された試合は2勝15敗と大きく負け越しており、この数字が現在のチーム状態を如実に物語っている。
また、指揮官の采配にも迷いが見られる。アルモンテの離脱以降、打撃不振の福田永将内野手(31)を3番で起用し続け、打率1割台の平田を完全に外さず我慢の起用が続いた。与田剛監督(54)は「どんな状況になろうが選手を信頼して使うということに変わりない」と信念を語ったが、どん底の状態にあるチームにファンのフラストレーションはたまる一方。ネット上では「もう試合を見たくない」との声も上がっているほど事態は深刻だ。
チームの勝率は3割台にまで落ち込み、借金は今シーズン最多の「7」まで膨れ上がった。今シーズンは新型コロナウイルスの影響でセ・リーグはクライマックスシリーズ(CS)が中止となり、日本シリーズに進出するためには優勝あるのみ。首位を快走する巨人とのゲーム差はすでに8.5ゲーム。夏本番を迎える前にウサギの姿がはるか遠くかすんで見える。