「オウムはまだ歴史ではない」 公安調査庁「異例会見」で語った「麻原崇拝の実態」

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松本元死刑囚の「マントラ」データ化した「甘露水」のタンクも

   19年1月に行われた「アレフ」の名古屋施設に対する立入検査では、「甘露水」と呼ばれる水のタンクも確認された。公安調査庁の説明によると、「甘露水」とは、松本元死刑囚が唱えるマントラ(呪文)のデータを教団が独自に作成した装置を使用して電気信号に変換したものをタンクに貯めた水に流して作る「聖水」とされる水のことだ。「こういった水は、今でもほとんどの施設で見つかる」(渡部氏)といい、松本元死刑囚への崇拝が続いているとみている。

   若年層への浸透も問題視している。14年には「小学生の真理」と題した児童向け教材、16年には松本元死刑囚のイラスト入りのかるたが確認されており、「こういった教材を、若い信者に教義を教え込むために利用している」(渡部氏)。それ以外にも、「ヨガや精神世界に興味はないか」などとして教団名を隠した上で、書店や街頭での勧誘活動が行われていることを指摘。教団名を明かす際には、

「サリン事件は伝えられているようなものではなく、政府やメディアの陰謀だ」

といった説明を展開しているとみられる、などと説明した。

   こういった状況を念頭に、渡部氏は

「サリン事件から四半世紀が経っても、オウムはまだ歴史ではなく、解決していない問題として存在している」

と強調した。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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