プロ野球独立リーグ「ルートインBCリーグ」に加盟する「神奈川フューチャードリームス」は、新型コロナウイルスの影響で試合が無観客で行われているにも関わらず、選手や監督へ接触を試みようとするファンがいたことを2020年7月21日に明らかにした。
球団は「チーム内に1人でも新型コロナウイルス感染者が出た場合、有観客試合が更に遠のくことはもちろん、最悪の場合、公式戦の開催が難しくなる」と警鐘を鳴らしている。
20年シーズン加盟の新興球団
神奈川フューチャードリームスは20年からルートインBCリーグ・東地区に加盟している新興球団。神奈川県を本拠地とし、ゼネラルマネージャーはかつてプロ野球・大洋ホエールズで活躍した山下大輔氏、監督は横浜ベイスターズの1998年の日本一に主軸選手として貢献した鈴木尚典氏が務めている。
ルートインBCリーグの開幕戦は当初4月11日に予定していたが、新型コロナウイルスの影響により延期に。6月20日にようやくシーズンが開幕したものの、富山GRNサンダーバーズの主催試合を除き無観客開催が続いてきた。政府による大規模イベントの開催制限が緩和された7月10日以降は、富山以外の各球団も有観客試合の開催を徐々に始めているが、神奈川は7月21日現在、「無観客」での開催を継続している。
ただ、球団はスポンサーやファンを実際の球場に招き、客の動線や座席確認を行う「有観客を想定した運営テスト」を画策するなど、有観客開催への道を模索していた。なお、運営テストは7月19日に小田原市の球場で開催予定だったが、降雨予想のため中止になっている。
「ファンの皆様のご協力が必要不可欠」
そうした中、球団は7月21日に公式サイトで「ファンの皆様へお願い」と題したお知らせを掲載。「1日でも早く、ファンの皆様に球場で選手のプレーしている姿を見て頂けるよう有観客開催に向け調整を行っております」としつつ、無観客試合で見られたファンの行動について、以下のように明かした。
「現在無観客開催にもかかわらず、球場にて監督・コーチ・選手へ接触を試みようとされている方が見受けられます」
こうしたファンの行動に対し「チーム内に1人でも新型コロナウイルス感染者が出た場合、有観客試合が更に遠のくことはもちろん、最悪の場合、公式戦の開催が難しくなることもございます」と、警鐘を鳴らした。球団はサイン、写真、握手、プレゼントの受け渡しなど、監督や選手による接触を伴うファンサービスは「当面の間禁止」としている。
球団は今後の有観客試合の開催について、決まり次第公式サイトやSNSなどで案内するとしている。その上で「有観客試合開催にはファンの皆様のご協力が必要不可欠となります。ご理解、ご協力の程宜しくお願い申し上げます」とファンに呼びかけた。