Go To「今でないと間に合わない」 京都の旅館社長、「炎上覚悟」のツイートに込めた危機感

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「借り入れが膨らめば遠くない将来に厳しくなるでしょう」

   新型コロナが本格的に蔓延した3月、修学旅行などで入っていた「こうろ」の予約はすべてキャンセル。緊急事態宣言発令翌日の4月8日に休業を決め、県をまたいだ移動制限が解除された翌週末となる6月27日にようやく営業を再開させた。売り上げは3月が約7割減、4~6月はほぼゼロだ。

   再開後の7月も動きは鈍い。この時期の例年の稼働率は平均50~60%、土日やお盆はほとんど100%になるが、現在はせいぜい10%強程度しか入らない。平日は予約ゼロ件の日も珍しくない。取材したこの日も、数少ない予約の1件がキャンセルになったという。

   京都の7月といえば、毎年多くの人が「祇園祭」に詰めかけるが、今年は山鉾巡行など主要な催しが中止。8月は「こうろ」にも2校の修学旅行の予約が入っているが「こちらも今後の状況次第でどうなるか分かりません」。9月以降の売り上げも固まっていないという。

   北原社長によると、「こうろ」は休業中も毎月1500万円ほどの支出があった。雇用調整助成金などにより、正社員約15人、パートやアルバイトも含めて約35人の給与はどうにか支払うことができている。だが、経営すべてをカバーできる金額ではない。

「すでに借り入れはかなりの金額になっています。今後も売り上げが戻らなければ、さらに借り入れをする必要が出てきます。当館は仮に7~8月にお客様が来なくてもただちに倒産するほどの状態ではありませんが、本業が回復しない限り、借り入れが膨らめば遠くない将来に厳しくなるでしょう。融資もどれだけ受けられるか分かりません」

   そんな先行き不透明な中で期待を寄せたのがGo Toだった。

「この状況を打開できるとしたらGo To キャンペーンだと思いました。8月に始まるという情報が流れ、それまでどうにか持ちこたえられればというところでした。それが7月22日開始に前倒しされたのは、23~26日の4連休に合わせてくれたと思います。この発表にはかなり期待していました」
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