「石破茂元幹事長には、次期首相をやらせたくない」との見方も
麻生氏が先陣を切ってパーティーを開いた背景には、20年秋に解散・総選挙を安倍首相に進言しているためだとも報じられている。その真相や狙いについて、政治評論家の有馬晴海さんは、J-CASTニュースの取材にこう話した。
「毎年、通常国会が終わったこの時期に、各派閥のパーティーが開かれています。麻生さんが延期せずにやったのは、解散を促していて、早めにしないとお金を集め損なうと考えたことがあると思います。派閥で集めたお金は、選挙資金などに充てるため、子分に配られることになりますね。これから、派閥のパーティーが続き、Go To キャンペーンもありますので、緊急事態宣言は出さないでしょう」
解散の時期については、東京五輪を中止するかどうか決める前の9月を想定しているようだというが、決めた後の可能性がある10月もありうるとした。ただ、連立を組む公明党が、コロナで集会がしにくいため秋の解散に難色を示しているといい、年末や年明けの解散の可能性もあると有馬さんはみている。
安倍首相に近い麻生氏が早めの解散を唱えているとされるのは、次期首相を巡る自民党内の事情もありそうだ。
「安倍さんは、コロナ対応などでかなり疲れており、4選はやるつもりがないでしょう。自らの力があれば、政調会長の岸田文雄さんを後継者にしたいのだと思います。しかし、安倍さんの人気が落ちており、その後継者の岸田さんに譲られても、岸田さんでは選挙を戦えない、といった声が党内から相次いでいます。代わりに、元幹事長の石破茂さんなら選挙をやりやすいとの声が強くなっており、院政を敷きたい安倍さんにとっては、やらせたくない相手だと思いますね」
(J-CASTニュース編集部 野口博之)