厚労省ルールでは「男女雇用機会均等法違反」の可能性
同様のメールを3月に受け取った就活生はJ-CASTニュースの取材に、「説明会に申し込む際に男性限定といった記載が見受けられなかったため、とても驚きました。時代錯誤のように感じられ、怒りというより呆れてしまいました」と感想を漏らす。就職活動で、こうした対応をされたのは初めてだったという。
メールには「女性総合職をご希望であれば、別途詳細が決まり次第、優先してお知らせいたします」と書かれていたが、取材時点(7月16日)までに連絡はないという。この就活生に対しても、「一般職の説明会をご希望であれば、特別にお席を手配しますので希望日時を下記までご連絡ください」と案内している。
5月にメールを受け取った別の就活生も、「なぜ説明会が男性向け女性向けと性別で内容を分ける必要があるのか」と疑問に感じた一方で、「選考が進む前に、冨士機材という企業の在り方・実態を知る事ができて良かったとも思う」と答えた。
厚生労働省が作成した資料「男女均等な採用選考ルール」では、男女雇用機会均等法違反の例に「会社説明会等の開催案内の送付や受付を男女のいずれかに限定する」「会社説明会等の実施日を男女別に設け、実施場所を変える、配布資料を変える」「総合職の会社説明会への参加は男性に、一般職の会社説明会への参加は女性に限定する」を挙げる。
東京労働局雇用環境・均等部指導課の担当者は取材に、「個別企業についての見解は答えられない」としつつ、一般論として「会社説明会で女性であることを理由に参加を拒むのは、男女雇用機会均等法に違反するという規定がある」と話す。
冨士機材に複数回、取材を申し込むも、いずれも担当者が不在だとして回答は得られなかった。採用担当者に取材依頼のメールを送るも、期日までに回答はなかった。
(J-CASTニュース編集部 谷本陵)