Go To論争に「何度も何度も蹴られこの業界は死ぬ」「先が見えません。助けてください」 関係者名乗る匿名ブログ話題

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   「Go Toトラベルキャンペーン」をめぐる議論が続く中、匿名ブログサービス「はてな匿名ダイアリー」に観光業関係者を名乗るユーザーによる悲痛な投稿が相次ぎ、話題となっている。

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「この業界は死ぬ」

   総額1.35兆円の大規模事業「Go Toトラベルキャンペーン(以下、Go To)」は、地域経済復活に向けた観光支援策だ。国内旅行を対象として、旅行代金の「2分の1相当額」を地域共通クーポンなどで支援する。

   一方で、新型コロナウイルスの感染拡大下で実施されることへの批判も多い。署名サイト「Change.org」で2020年7月11日に開始した反対運動は、17日までに11万人以上の賛同者を集めている。

   そんな中、14日に「はてな匿名ダイアリー」に投稿された「観光に携わる業界からの遺書」と題された記事は「勤めている企業は業界ではそこそこ大きいが、今月来月で大規模な解雇が行われる」という書き出しに始まる。

   先んじて退職をすることにしたという書き手は「Go To」に対する批判を指してか、

「何故落ち着いてからキャンペーンを始めないのか。落ち着く時には死んでいるからだ。何故このような状況下でキャンペーンは動いているのか。最初に影響を受けた為に以前より対応が検討され今やっと始まるからだ」

と説明。その後も

「その予算を直接補助に回せばいいと言うあなたへ。この業界に携わる人間は400~500万人(※編注:観光庁の調査によれば2018年時点で、観光産業への就業者数は673万人)。1.3兆を全員で割ったら1人30万円前後。あらゆる補助を受けても1年は暮らせない。そして観光に携わる人々は一元的ではなく業務の全てが対観光からほんの一部まで広範に渡る。受け取るべき人々の線引きはどうやって決める」
「キャンペーンが業界への補助ではなくあなたへの補助なのは、あなたの助けを何より必要としているからだ。けれど助けを求めたはずのあなたに口を塞がれ、何度も何度も蹴られこの業界は死ぬ」
「これは無知で浅はかなデモに叩かれ、疲れ、呆れ、憤りを込めた遺書だ」

などと悲痛な言葉が続いている。

「先が見えません。助けてください」

   その後新型コロナウイルス新規感染者の増加を受け、「Go To」について「東京発着旅行は対象外」とする案が16日に発表された。この日、別人と思われるユーザーによって投稿された記事には、この決定と「Go To」に対する嘆きの声が記されている。

   「旅行会社勤めです。助けてください」という題名を付けた投稿者は、旅行会社のカウンターで働いているという。「『やります』の一言だけが全国に知れ渡るばかりで...」と、「Go To」について詳細が不明のまま予約対応などの業務を余儀なくされたと説明する。

   そんな中、「東京発着旅行は対象外」とする案が報じられ、

「今までの手間はなんだったんだろう。これからはどんな問い合わせを受けるんだろう、今まで案内してきた方には、どんな訂正をして、どんなお詫びをするんだろう」
「旅行を申し込んでいただいても、キャンセルになればタダ働きです」
「コロナが始まった2月下旬からは、ほとんどタダ働きです」

と、その心労やキャンセルによる「タダ働き」を強調。さらに、

「GoToキャンペーンがあって初めて旅行に行こうと思う方のほとんどは、旅行をしない人、旅行会社を使ったことがない人で、GoToキャンペーンが見合わせになればきっとキャンセルになるでしょう」
「中止になるのも決行されるのも、どちらにしても待つのは地獄です。GoToキャンペーンで旅行会社が潤うとお思いの方には、このブログで少しでも、現場の現状を知っていただきたいです」

とし、「先が見えません。助けてください」としめくくった。

   ブログはいずれも匿名であり、投稿者らが本当に業界関係者かは不明だが、これらの記事には多くの反応が寄せられた。16日の投稿はツイッターで共有され続けたことにより、タイトルの「旅行会社勤め」が17日に国内トレンドで上位入りとなった。

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