プロ野球の広島は2020年7月16日、マツダスタジアムで巨人と対戦し4-9で敗れた。
先発・藪田和樹投手(27)が初回に大城卓三捕手(27)の2ランなどで3失点。打線は4回に堂林翔太内野手(28)の2ランで1点差に詰め寄るも、広島中継ぎ陣が崩壊して敗退した。巨人に3タテを喫するのは6年ぶりで、本拠地マツダスタジアムでの3タテは9年ぶり。チームは借金「4」で今シーズン初の最下位に転落した。
相次ぐ投手陣の登録抹消で火の車
今シーズン初先発の藪田が初回につかまった。先頭・亀井善行外野手(37)にツーベースを許し1死後、岡本和真内野手(24)の3ゴロで1失点。続く大城には146キロのストレートをライトスタンド中段に運ばれた。この日は先発ローテーションの谷間で、中継ぎの薮田に先発のマウンドを託した。早めの継投で繋いでいく戦略だったが、期待の藪田が初回から3点を失う苦しいスタートとなった。
先発の薮田が3回でマウンドを降りてから5人の投手で繋いだ。6回には高橋樹也投手(23)が吉川尚輝内野手(25)に2ランを浴び、7回にはヘロニモ・フランスア投手(26)が坂本勇人内野手(31)に四球を与えた後に岡本にレフトスタンド中段に運ばれた。さらに9回は塹江敦哉投手(23)が2四球(1申告敬遠)からピンチを招き2失点。課題の中継ぎ陣が機能せず試合を壊してしまった。
この3連戦では、先発陣が踏ん張れず序盤に失点して敗戦となるパターンが続いた。14日の初戦は先発・九里亜蓮投手(28)が5回4失点。15日の第2戦はクリス・ジョンソン投手(35)が5回5失点で降板した。九里、ジョンソンともに四球から失点するケースが見られ、巨人との3連戦での失点は「28」。テイラー・スコット投手(28)、ジョンソン、森下暢仁投手(22)の相次ぐ登録抹消で、広島投手陣は火の車だ。
機動力を生かした野球も影を潜める
打撃陣に目を向けると、得点のチャンスにあと一本が出ない。チーム打率はリーグトップの.283を誇るも、得点はリーグ3位の99点。首位を走る巨人はチーム打率.265ながら得点はリーグトップの118点をマーク。リーグ3連覇中に見られた機動力を生かした野球も影を潜め、ここまでチームの盗塁数はわずか8個。投手力の低迷に加え、機動力の低下もチーム低迷のひとつの要因となっている。
5年連続で勝ち越している巨人に3タテを食らい、今シーズンはここまで1勝4敗1分と負け越している。本拠地マツダスタジアムで巨人に3タテを喫するのは、2011年8月5日~7日以来9年ぶりの屈辱だ。11年は広島暗黒時代の終盤で、今回の3タテに「暗黒時代」が頭によぎった鯉党もおり、ネット上では「暗黒時代」のワードが出始めた。鯉党にとってそれだけインパクトのある3連敗だった。
17日からは本拠地マツダスタジアムで2位ヤクルトを迎えての3連戦となる。カードの頭となる初戦はエース大瀬良大地投手(29)が先発のマウンドに上がる。ここまで2完投(2勝)と先発の柱としてチームをけん引する大瀬良。エースが負の流れを断ち切ることが出来るか。エースのマウンドに注目される。