2020年7月15日から19日にかけて公演されるガールズバンドプロジェクト「BanG Dream!(バンドリ!)」の舞台では、新型コロナウイルスの感染防止対策として、来場者に対して本人確認を行っていない。
「感染症予防の観点よりご本人様確認は実施しない」
ゲーム・アニメ・「リアルライブ」で展開される作品群。今回の公演「We are RAISE A SUILEN〜BanG Dream! The Stage〜」に関して、13日に
「今回の公演に限りまして、感染症予防の観点よりご本人様確認は実施しないことと致します」
と公式サイトとツイッターで発表。
半券(入場時に切り取る右側部分)の裏面に入場客の指名や連絡先を記入するよう求め、「必要に応じて保健所等の公的機関への提供を行う以外、他の目的では利用いたしません」とした上で
「今回に限り、『券面のお客様情報』と『裏面に記載のお客様情報』に相違があった場合でも、途中退場や今後のチケット先行抽選などでのペナルティはございませんのでご安心ください」
と説明している。
なぜこのような判断を下したのか。J-CASTニュースは主催のブシロードミュージックの担当者に対して15日に取材をした。
「今回は感染対策の優先を行うことを判断」
転売対策の一環として、チケットの購入者が来場者本人と同一人物かどうかは、公的機関が発行する身分証などで確認を行ってきた。ところが、新型コロナウイルスの感染拡大下において事情は変わった。
「身分証明書の確認を行うと、チケットや身分証など、スタッフとお客様の間で物の受け渡しが増えてしまう上、会話も発生します。また、確認の手間により並ばれている方にも長時間お待ちいただくことになる。本来ならば身分確認をして転売防止に努めたいところですが、感染拡大との両立は難しい。スムーズかつ安全なご案内のため、今回は感染対策の優先を行うことを判断いたしました」
今回の入場券の仕様は、これまでと同じく「紙のチケット」だという。同伴者の分を含めて1人2枚まで購入できるが、表面にはいずれも購入者の名前が記載される。そのため、仮に来場客に感染が確認された場合、同伴者を含めた全員の連絡先を把握することができない。
「券の販売は、チケット販売会社に委託しています。感染が確認された場合には販売会社から個人情報の取得を行うこともできますが、お連れ様の情報までは把握できません。券の表面にもご購入者様の情報しか記載されていないため、今回は裏面に全ての方に氏名や連絡先を記入していただくこととなりました。こちらの個人情報は感染症対策のためだけに使用させていただきます」
また、記者が「今後、紙のチケットではなく、電子チケットの採用は考えているか」と質問したところ
「もちろん考えておりまして、今回のように感染症対策に必要な来場者様の把握が必要になった場合、電子チケットであれば来場者様の個人情報の紐づけがよりスムーズに行えると考えております。今後の公演での導入を検討しています」
とコメントした。
また、15日の公演初日を経て、16日に改めて担当者に取材を行ったところ、券の裏面への記入漏れといったトラブルは特になかったとのことだ。待機列では1mごとに来場客の間隔を空け、入り口で検温を行い、座席の種類ごとに時間差で案内を行っているという。
「考えうる限りの万全の対策を行っております。残りの公演も慎重に見守りつつ、万が一の場合には速やかに対応する方針です」
と話した。
他社の公演は本人確認についてどうする?
他社の公演は本人確認についてどのように定めているか。
8月29日から9月6日、9月27日から10月11日にかけて行われる「刀剣乱舞」のミュージカル「髭切膝丸 双騎出陣 2020 ~SOGA~」は公式サイトで「本人確認を実施させて頂く場合がございますので、ご来場時には必ず本人確認書類をご持参ください」としている。
女性アイドルグループ「虹のコンキスタドール」が9月12日に予定している公演も公式サイトでは「全ての入場者を対象に、身分証明確認を行います」とされている。
ジャニーズ事務所所属アイドルではSexy Zoneが8月21日から23日まで、SixTONES(ストーンズ)が8月29日から30日の公演を予定している。会員向けにチケットの優先販売を行うサイト「Johnny's FAMILY CLUB」は「よくあるご質問・問い合わせページ」で公演当日の持ち物について「代表者様・同行者様とも、本人確認のできる公的証明書を必ずお持ちください」「ご本人様の来場が確認できない場合は、ご入場をお断りいたします」などと説明している。