立憲民主党と国民民主党の合流に向けた動きがヤマ場を迎えている。立憲の福山哲郎幹事長は2020年7月15日に国民の平野博文幹事長と国会内で会談し、両党を解党した上で「新設合併」方式での新党結成を提案した。
立憲側の提案では、新党の党名は「立憲民主党」で、通称・略称は「民主党」。党名などについて交渉の余地について問われた枝野幸男代表は「是非これにご賛同いただきたい」などと繰り返し、事実上の「最後通牒」だ。一方の国民側は「立憲」「国民」以外の名前を望む声が相次いだ結果「党名についても民主的な手続きを経て選んでいく」ことを求める考えで、両者が折り合えるかは未知数だ。
提案は「両立困難とも言える命題を解決する上での苦渋の判断に基づくもの」
立憲・国民の両党では、6月18日の通常国会閉会後、幹事長間で水面下での協議が続いてきたが、「事実ではない報道がなされた場合、合流協議に疑心暗鬼が生まれ不信感が生まれるとの懸念がある」(立憲)として、改めて文書で正式に提案することにした。「申し入れ」と題した7月15日付の文書では、両党が解散して新党を結成することや、新党名を立憲民主党とすることなど5項目を列挙。「すみやかにご回答いただきたく存じます」としている。
枝野氏は7月16日朝に記者会見し、党名を「立憲民主党」にする理由を
「立憲主義を取り戻し、立憲主義に支えられた真の民主主義を実現することの必要性と重要性は、私自身の一貫したゆるぎない確信であると同時に、共同会派のすべての仲間で共有されている根本理念であると考える。『立憲』という、安倍自民党との明確な対立軸を党名で示すことは多くの皆さんにご理解いただけるものと信じている」
などと説明。略称・通称として提案した「民主党」については
「国民民主党さんの略称であると同時に、かつて政権を担った政党の名称として、一定の知名度もある」
とした。