ミノルタの「α」はソニーに
それにつけても、今日までオリンパスがたどった道のりは平たんではなかった。2011年には巨額の損失を隠す不正会計がに発覚し、経営危機に陥った。その後は低価格帯のコンパクトデジカメから撤退するなど、本業の映像事業部門を縮小し、医療機器分野に経営資源を集中してきた。
その結果、オリンパスは売上高の8割を医療機器分野が占めるなど、一般消費者向けのカメラメーカーというよりも、内視鏡専業メーカーに近づいていった。
ニコン、キヤノンに続く第三勢力のカメラメーカーは、ミノルタがコニカと2003年に経営統合したほか、「α」ブランドで知られた旧ミノルタのデジタル一眼レフカメラ事業は提携先のソニーに譲渡した。現在も「α」ブランドはソニーのカメラやレンズとして存在する。
オリンパスの伝統ある人気ブランド「ペン」や「OM」シリーズも、メーカーが替わったとしても当面は存続するとみられる。しかし、名門と言えども、オリンパスの一般カメラメーカーとしての名は、ミノルタ同様、消滅してしまうのだろう。