テスラ株上昇の「実力」と「テクニカルな要素」

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各国の地球温暖化対策による影響

   もちろん、既存大手も手をこまねいているわけではない。高級車市場では独ダイムラーやBMWが相次いで新型EVを投入、VWは2025年に年間EV250万台生産という目標を掲げ、トヨタは20年6月にSUV「RAV4」のPHVを国内で発売し、今後、欧米でも売り出す計画――といった具合だ。これらのメーカーは資金力もある。

   もう一つ、EVは地球温暖化対策の一環で各国政府が進める普及政策にも大きく左右される面がある。EVを最重視していた中国は、EV販売に陰りが見える中で、トヨタなどが得意とするハイブリッド車などの低燃費車も優遇する方針を打ち出すなど、EV独り勝ちというほど、ことは単純ではない。

   足元、好調のテスラ株価だが、市場のテクニカルな要素もあるようだ。過去の経営状況が不振の時期にヘッジファンドなどが空売りを仕掛けていたが、「株価上昇で買い戻さざるを得なくなり、これが一段と株価を押し上げた面が小さくない」(市場関係者)と、過熱を指摘する声もある。

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