プロ野球の巨人と楽天は2020年7月14日、巨人・高田萌生投手(22)と楽天・高梨雄平投手(28)のトレードが合意に至ったことを発表した。
左のリリーフ投手を望んだ巨人と、将来性ある投手の獲得を目指した両球団の思惑が一致したもので、高梨には即戦力としての期待がかかる。また、両球団のトレードは6月25日に発表されたゼウス・ウィーラー内野手(現巨人)と池田駿投手(現楽天)に続いて今シーズン2例目となった。
ドラ1吉川は今季レギュラー定着目指す
プロ4年目の高田が、池田に続いてトレードで楽天に移籍した。高田と池田は2016年のドラフトで巨人から指名を受け入団した同期。池田は専修大から社会人のヤマハを経てドラフト4位で指名され、高田は岡山の創志学園からドラフト5位で入団した。くしくも同期入団の2人が3週間の間にそれぞれトレードで同じ球団に移籍することになったが、16年の巨人ドラフト入団選手は現在、どの球団でどのようなプレーをしているのだろうか。
2016年の巨人のドラフトを振り返ってみると、7人(育成は除く)の選手を獲得している。指名順では、1位・吉川尚輝内野手(中京学院大)、2位・畠世周投手(近大)、3位・谷岡竜平投手(東芝)、4位・池田(ヤマハ)、5位・高田(創志学園)、6位・大江竜聖投手(二松学舎大付)となり、7位に台湾人のリャオ・レンレイ投手(開南大・台湾)を指名している。1位の吉川を除く6人が投手だった。
ドラフト1位の吉川は、プロ2年目の2018年に「2番・セカンド」で開幕スタメンを勝ち取った。交流戦に入ってから一度は調子を落とすも、スタメンに復帰すると好調を維持。だが、8月1日のDeNA戦で1塁にヘッドスライディングした際に左手を骨折し長期離脱を余儀なくされた。19年は「1番・セカンド」で開幕スタメン出場するも、持病の腰痛が悪化しわずか11試合で戦線離脱。今シーズンはセカンドのレギュラー定着を目指す。
ドラ3谷岡は育成、7位リャオ・レンレイは戦力外
即戦力として期待された2位・畠はプロ1年目の2017年7月6日の広島戦でデビュー。その後は先発ローテーションの一角を担い12試合に先発し6勝4敗と勝ち越した。一躍将来のエース候補となったが、2年目以降はケガに泣かされている。18年は2月のキャンプ中に腰を痛め、1軍復帰は秋にずれ込んだ。19年は開幕ローテーションに名を連ねるも結果を出せず5月に2軍落ち。7月には右肘の遊離軟骨摘出などの手術を受けた。飛躍が期待された今シーズンは2月のキャンプで右肩周辺の肉離れで離脱し、開幕1軍を逃した。
ドラフト3位の谷岡は、プロ2年目の2018年に中継ぎとして25試合に出場した。2勝1敗の結果を残したものの、19年はキャンプ前に右肩を負傷し1軍の出場はなし。9月に右肩の手術を受けたこともあり、オフに育成選手として球団と再契約を結んだ。ドラフト6位の大江は2軍で力を付け、昨シーズンは開幕1軍入りを果たしたが、1軍での登板は8試合にとどまり2軍生活が続いた。
台湾からドラフト7位で入団したリャオ・レンレイは、身長201センチから投げ下ろすMAX155キロの直球を武器とする投手。巨人では2軍生活が続き結局、1軍での登板機会がないまま戦力外通告を受けた。その後、12球団合同トライアウトに参加し、その結果、西武が獲得。だが、西武でも結果を残すことができず1軍の登板はわずか3試合にとどまり、再び戦力外通告を受けた。
巨人以外のセ・リーグ球団において2016年のドラフトで指名を受けて入団した選手をみると、ドラフト1位ではDeNA浜口遥大投手(神奈川大)、阪神・大山悠輔内野手(白?大)、中日・柳裕也投手(明大)らがすでに1軍で活躍しており、ヤクルトの寺島成輝投手(履正社)は今年ブレイクを予感させるひとりだ。DeNAのドラフト9位・佐野恵太内野手(明大)は今シーズンからチームの4番を任されている。