2020年7月22日から前倒しで始まる「Go Toトラベル」キャンペーンに、ネットユーザーから「NO」が突きつけられている。
ツイッターではハッシュタグ「#GoToキャンペーンを中止してください」がトレンド入りし、地方自治体からも懸念が高まっている。
「我慢していることが全部水泡に帰す」首長からも批判が
政府の観光支援策であるGo Toキャンペーンは当初、8月上旬のスタートを見込んでいたが、7月22日から前倒しして宿泊代金の割引から行うことになった。旅行額のうち35%を代金の割引として補助する。15%を旅行先での飲食や買い物に使えるクーポン券の発行は、9月からを予定する。
しかし、歓迎ムード一色かといえばそうではない。恩恵を受けるはずの各自治体からは、困惑の声が上がっている。
山形県の吉村美栄子知事は14日の定例会見で「最近の首都圏の感染状況やこのたびの豪雨災害を踏まえると、この時期に一斉にスタートするのはいかがなものか(中略)地方としては手放しで喜べない」と開始時期を疑問視。
青森県むつ市の宮下宗一郎市長も13日の会見で、あきれ果てた様子で批判した。
「人が動かなければウイルスは動かない。これは感染症対策を全国で、全世界でやっていて当たり前のこと。小学生でも知ってる。ところがGo Toトラベルは人を動かすわけでしょ。リスクが高いところから低いところに人が確実に動く」
「今まで我慢してきたことや今我慢していることが全部水泡に帰す(中略)今までは天災だと言っていられたかもしれないが、もう人災だということになりますよ。政治や行政が国民や県民の命や健康をないがしろにしちゃいけないですよ」
当の菅義偉官房長官は13日の記者会見で、延期は「全く考えていない」と断言。その翌日に会見した赤羽一嘉国土交通相は批判をかわすためか、参加する業者に感染対策を義務づけると明らかにした。