報道機関は「日本人男性中心の均質的な企業文化」
さらには、こうした取材慣行や評価システムなどが、
●権力との癒着・同質化●記者会見の形骸化
●組織の多様性の欠如
●市民への説明不足
●社会的に重要なテーマの取りこぼし
といった問題につながっているとも指摘する。
こうした問題を改善し、ジャーナリズムの信頼を取り戻すためとして、提言には具体的な6つのポイントがまとめられている。
(1)報道機関は権力と一線を画し、一丸となって、あらゆる公的機関にさらなる情報公開の徹底を求める。(中略)市民やフリーランス記者に開かれ、外部によって検証可能な報道を増やすべく、組織の壁を超えて改善を目指す
(2)各報道機関は、社会からの信頼を取り戻すため、取材・編集手法に関する報道倫理のガイドラインを制定し、公開する。その際、記者が萎縮して裏取り取材を控えたり、調査報道の企画を躊躇したりしないよう、社会的な信頼と困難な取材を両立できるようにしっかり説明を尽くす(後略)
(3)各報道機関は、社会から真に要請されているジャーナリズムの実現のために、当局取材に集中している現状の人員配置、およびその他取材全般に関わるリソースの配分を見直す
(4)記者は、取材源を匿名にする場合は、匿名使用の必要性について上記ガイドラインを参照する。とくに、権力者を安易に匿名化する一方、立場の弱い市民らには実名を求めるような二重基準は認められないことに十分留意する
(5)現在批判されている取材慣行は、長時間労働の常態化につながっている。この労働環境は、日本人男性中心の均質的な企業文化から生まれ、女性をはじめ多様な立場の人たちの活躍を妨げてきた。(中略)メディア産業全体が、様々な属性や経歴の人を起用し、多様性ある言論・表現空間の実現を目指す
(6)これらの施策について、過去の報道の検証も踏まえた記者教育ならびに多様性を尊重する倫理研修を強化すると共に、(中略)報道機関の説明責任を果たす