佐々木朗希ドラ1指名は満場一致で決定
2019年秋のドラフト会議では、最速163キロ右腕・佐々木投手を1位で指名。西武、日ハム、楽天と競合の末、井口監督が抽選でくじを引き当て交渉権を獲得した。同じく今ドラフトの目玉だった星稜・奥川恭伸投手は、巨人、阪神、ヤクルトの3球団が競合し、交渉権を獲得したヤクルトの入団が決まった。
「2018年のデータをみると、うちのチームは投手のストレートの平均速度が12球団最下位でした。平均速度が一番速いソフトバンクは、150キロの速度で投げる比率が30%以上。お恥ずかしながらうちは3%でした。150キロ以上が100球に3球しかなかったら狙い球が絞りやすくなります。うちのチームは投手の平均速度が遅すぎる。だからドラフトで選ぶべきは佐々木選手でした。奥川選手も目玉のひとりでしたが、2人のうちどちらを獲るかという話になった時、目的は速い球を投げる投手ということですから圧倒的に佐々木選手にありましたので満場一致で決まりました」(河合氏)
日本のプロ野球界が注目するスーパールーキーは、2月のキャンプから1軍に帯同。5月26日にはプロ入り後初のシート打撃に登板し、最速160キロを2度マークした。現時点で1軍マウンドは実現しておらず、「英才教育」が施されている。
「キャンプの時に佐々木選手のキャッチボールを後ろから見させていただきました。私のような素人が見ても全くの別物でした。これは誰でも見てみたいと思うなと感じました。160キロ以上の球が常時出るということは、肩、肘、腕にかかる負担は並大抵のものではありません。彼のような特殊な能力を持った人間というのは世界の宝でもあります。今ここで彼を使えば当然、160キロは出るでしょうが、体がついていかずに壊れてしまったらそこで終わってしまいます。しっかりとした基礎体力とバランスを整える育成をしていくことによって日本でも高いパフォーマンスを、そのあとに世界に出ていっても10年、20年とハイレベルなパフォーマンスを維持し続けてもらうためのものを我々が今、教え込んでいかなければせっかくの宝をつぶすことになってしまいます。そこが重要だと思います」(河合氏)