プロ野球の千葉ロッテマリーンズが快調な滑り出しを見せている。2020年の開幕カードとなったソフトバンクとの3連戦で2勝1敗と勝ち越すと、続くオリックスとの6連戦では史上初となる同一カード6連勝を飾った。チームは2020年7月13日の時点で2位をキープしている。
J-CASTニュース編集部は、千葉ロッテマリーンズの代表取締役オーナー代行兼球団社長の河合克美氏にインタビューを行い、コロナ禍のなかでの球団運営をはじめ、将来的なビジョン、スーパールーキー佐々木朗希投手(18)などについて語ってもらった。
2年連続Bクラスからの巻き返し
河合オーナー代行は2018年2月からチームに本格的に関わるようになった。オーナー代行という立場で球団運営に携わり、19年12月に山室晋也球団社長の退任を受けて球団社長に就任した。
「前オーナー(故重光武雄氏)は今年亡くなられましたが、チームを持って以来ずっと赤字でした。ようやく黒字化できたのが2018年と19年です。前社長の山室さんが必死になってやってきたのは、なんとかして球団を黒字化すること。そのためにありとあらゆる手を使ってビジネスチャンスを見つけて、それを回してきました。そのタイミングでちょうど私が球団に来ました。その一方でチームの補強については先送りになっていたという状況でもありました。球団経営という視点で見ると、事業として黒字化して健全な経営をしていくということと、一方で強いチームを作るのは両輪だろうと。黒字化をさらに進めるにはチームを強くして、お客様にたくさん来ていただいて、結果的にその利益をチームに再投資する。ただこの時点では黒字化することだけで精一杯でした。2018年はそこからのスタートでした」(河合氏)
2018年は井口資仁監督が就任一年目のシーズンで、チームは春先に出遅れた。6月のセ・パ交流戦で3位に食い込んだものの、チームの最終成績は59勝81敗3分でリーグ5位。首位西武に28.5ゲーム差を付けられ、2年連続のBクラスに終わった。
「2018年は得点力がリーグ5位で本塁打数はリーグ最下位でした。失点、防御率はリーグ5位。まずここをなんとか少しずつでも手を入れていかないといけない状況でした。全体戦略がなかったので、スコアラーや分析チームを強化するというのを始めたのが2018年の終わりごろでした。そこから少しずつ始めて、結果、これをやっただけでも2019年は得点率がリーグ2位に上がり、失点も少なくなりました。ようやく分析を始めて数値化が出来るようになったという段階です。このようなデータをどのように次の補強に活かすか。ドラフトもFA(フリーエージェント)も全てこういうことをベースに始めました」(河合氏)