女優の橋本環奈さん(21)が2020年7月12日夜に行ったツイートがネット上で話題だ。
「橋本環奈笑い声うるさいな」と自虐
「橋本環奈笑い声うるさいな、、、ぱおん 客観的に見るのと自分が話してる時に聴こえてくる声って違うな~ 知恵袋さんに可愛く笑う方法聞いてみようかな~ #行列のできる法律相談所」
と、自らへのツッコミをツイートした橋本さん。このツイートが行われた時間帯には、橋本さんが出演する「行列のできる法律相談所」(日本テレビ系)が放送されており、番組中ではたびたび、橋本さんの「ガハハハ!」「フハハハ!」といった高らかな笑い声がスタジオ内にこだましていたのだ。
このツイートに対しては、「あなたはそのままでいいんですよ!」といった、あるがままが良いとするリプライが続々。「いやいや!! 笑い声聴こえると元気になります」と、その笑い方が魅力なのだとする絶賛も寄せられているが、併せて、「かんなのぱおん頂きました!!!!」と、橋本さんがツイートの第1文の文末に付けた「ぱおん」という表現を喜ぶ声も寄せられている。
「ぱおん」とは、近年、若年層を中心に広がっている表現であり、「悲しみ」を表わす言葉とされている。同義の言葉として挙げられるのが「ぴえん」だが、「ぱおん」の方がより悲しみの度合いが強く、「ぴえん」の「上位互換」の単語として知られている。なお、6月30日には、マーケティング会社のAMFが選出した「JC・JK流行語大賞2020上半期」の「コトバ部門」の第5位に、「ぴえんこえてぱおん」というフレーズがランクインしたことが明らかになったほか、同ランキングを報じるニュースも配信されるなどした。
なお、橋本さんは5月14日にツイッターで、「会報誌ぞくぞくと届いてるみたいで嬉しいです 転売、、ぴえん」と、自身のファンクラブで初めて発行された会報を転売する動きが一部にあることを嘆くツイートを行い、「転売ヤー許すまじ」といった、転売を良しとしないファンからの絶賛が殺到していた。
ぱおん・ぴえんは、「がっかり感」「脱力感」を伴った悲しみ
さて、橋本さんが使った「ぱおん」と「ぴえん」だが、橋本さんがこれらをどのような気持ちで使った可能性があるのか、J-CASTニュースはITジャーナリストの井上トシユキ氏に聞いてみた。
まず、一般論として井上氏は、
「『ぱおん』『ぴえん』は共に『悲しみ』の感情を表す単語ですが、あくまで個人的に感じる感触ではありますが、『がっかり感』『脱力感』を伴った『悲しみ』であるように感じます。ちょうど、一昔前にネット掲示板で流行った『orz』(くずおれる人)と似た感覚だと思います。なので、『orz』の次世代版と言えるのではないでしょうか」
と説明した。続けて、12日の橋本さんのツイートについて分析を依頼すると、
「絵文字は文章に感情を付加するために使われますが、『ぱおん』と『ぴえん』は絵文字でも表しきれない感情の機微を表わすときに使われることが多いようです。なので、12日のツイートで橋本さんは、番組中で自身の笑い声が大きいことに気付いてそれを嘆いてはいるが、自身が感じた『がっかり感』『脱力感』の大きさを的確に表せる絵文字がないと感じて『ぱおん』を使ったのではないでしょうか」
と分析。加え、
「『ぱおん』『ぴえん』は共に単語の頭が『パ』行の音になっていますが、半濁点の音はかわいらしく聞こえるのが特徴です。ゆえに、『うわん』『びえん』よりも『小泣き感』が強く、かつ、『ぴえん』よりは嘆きの度合いが強かったため、橋本さんは『ぱおん』を使ったのではないでしょうか」
と分析した。
橋本さんは文章表現に非常に気を遣っている!?
また、橋本さんが5月14日に「ぴえん」を使っていたことは前述したが、7月12日の「ぱおん」を含んだツイートと比較すると、「橋本環奈笑い声うるさいな、、、ぱおん」「転売、、ぴえん」という具合に、「読点」を直前で連打していることが分かる。ここについて井上氏に聞いてみると、
「読点の部分には文字で表せば、『悲しい』という単語が入っているのではないでしょうか。ただ、『悲しい』と書いてしまうと実際に表したい感情に比べると強すぎると判断し、読点に変えた上で、その後ろに『ぱおん』『ぴえん』という細かい表現が可能な言葉を配置し、細やかな表現を実現させているのだと思います。これらのツイートを見ると、橋本さんは表現が細やかになるように非常に気を遣う方なのではないかという気がしてきます」
(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)