プロ野球の中日は2020年7月12日、ナゴヤドームで広島と対戦し2-7で敗れた。先発・梅津晃大投手(23)が6回まで粘りの投球で広島打線を2点に抑えたが、7回に乱れ1死も取れずに降板。後を継いだ祖父江大輔投手(32)が後続を打ち取ることが出来ずこの回4失点。その裏の攻撃で1点を返したものの、反撃はここまで。広島3連戦で負け越し、借金は「4」となった。
指揮官「信頼は変わらない」も...
前夜の「悪夢」が蘇るようなシーンだった。7回、疲労の色が濃いマウンド上の梅津は、先頭・安部友裕内野手(31)にライト前に運ばれると、続くホセ・ピレラ外野手(30)をストレートの四球で歩かせた。6回まで再三のピンチを気迫でしのいできた梅津だったが、スタミナ的に限界の様子で、この回でマウンドを降りた。打者28人に対して7安打3四球。球数は今シーズン最多の119球だった。
無死1、2塁の場面で祖父江は2番手としてマウンドに上がった。先頭・菊池涼介内野手(30)を三振に打ち取ったが、西川龍馬内野手(25)、鈴木誠也外野手(25)に連続タイムリーツーベースを許した。6番・会沢翼捕手(32)を四球で歩かせ2死1、2塁から堂林翔太内野手(28)にタイムリーを許したところで降板。与田剛監督(54)は5点ビハインドの場面で3番手に守護神・岡田俊哉投手(28)を送り込んだ。
前日11日の23安打(19失点)に続いてこの日も投手陣が2ケタ安打(12安打)を許しての惨敗。中でも深刻なのは守護神・岡田の不調だ。7日のヤクルト戦では延長10回に押し出し四球で決勝点を与えてチームは1-2で敗れた。9日のヤクルト戦では1点リードの9回に登板して4失点。抑えきれない守護神に対して指揮官は「信頼は変わらない」と言及するも、12日の試合では5点リードされた場面で岡田を起用する采配を見せた。
ホームの利点活かし切れず
低迷するチームに追い打ちをかけたのがキャプテン高橋周平内野手(26)の戦線離脱だ。11日の広島戦の6回、ショートへの内安打で1塁を駆け抜けた際に左太ももを痛めて交代。名古屋市内の病院で検査を受けた結果、「左ハムストリングスの損傷」と診断され、復帰まで3週間から1カ月程度かかる見込み。開幕から11日の広島戦までスタメンで出場し打率.333、出塁率.405と好調を維持していただけにキャプテンの離脱は大打撃となる。
今シーズンは新型コロナウイルスの影響でレギュラーシーズンが120試合に短縮され、変則的なカードが組まれる。中日は7日のヤクルト戦からホームのナゴヤドームで6連戦となったが、ヤクルトには1分2敗、広島には1勝2敗と2カード連続で負け越し、ホームの利点を生かし切れていない。14日からはホームでDeNAと3連戦、21日からは巨人、阪神をホームに迎えての6連戦となり、本拠地での戦いが続く。
投手力に不安を残す中日のチーム防御率は、リーグワーストの5.05で失点はリーグ唯一の3ケタ(108点)を記録。最下位阪神とはゲーム差なしの5位で、借金は「4」にふくらんだ。明るい兆しが見えない状況に指揮官は「暗くなってしまったら意味がない」と話すも、救援陣の整備、高橋の抜けた穴の補強など課題は山積だ。