うっかり「挟まれた」筆者の経験では...
モスクワ地下鉄のドアは発車時間になると容赦なく閉める。駆け込み乗車がいようがいまいが全く関係ない。無慈悲な対応を知っているのか、多くの乗客は無理に乗り込もうとはせず、諦めて次の電車を待っている。
ところで筆者は10年ほど前に旧型車のドアに挟まれたことがある。念のために断っておくと駆け込み乗車をしたのではなく、終着駅であることを知らずに降り遅れたのだ。体を挟まれた瞬間は怪我を覚悟したが、想像以上にドア先端のゴムが柔らかく、ドアそのものが軽かったので全く痛くなかった。そのためか、ドアに挟まれた客は何度も見たことはあるが、痛そうにしている姿はあまり見かけなかった。ただし車内には「ドアにはもたれてはいけない」と書かれたステッカーが貼ってある。
もし日本の大都市圏を走る幹線にてホームドアなしのワンマン運転を採用するなら、乗客に「駆け込み乗車は絶対しない」という「新しい行動様式」が求められるだろう。また「挟まれても痛くないドア」の開発も重要だと思う。
(フリーライター 新田浩之)