NEC×NTTで「基地局3強」挑戦 6G覇権へ政府も後押し

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国際競争に「電電ファミリー」で打って出る

   NTTは2019年5月に新しい通信システム「IOWN(アイオン)」構想を発表した。現在、電気信号でやり取りする情報をすべて光に置き換えることで、現行の100倍超も大容量のデータを少ない電力で伝送できるという。NECも光関連技術に力を入れており、両社の協業は大きな力を発揮しうると期待されている。

   6Gを重視するのは世界共通。すでに世界各国の企業や大学で研究が始まっており、政府は、ここで後れを取れば、産業革新だけでなく、サイバー攻撃への対応や軍事設備の運用など安全保障上も不利になりかねないとの懸念を強めている。総務省が6月25日まとめた6Gの推進戦略で「技術開発に日本が強みを最大限に発揮して深く関与することが重要」と位置づけ、国をあげて支援する方針を明確にしたのも、政府の危機感と期待の表れだ。具体的には産学官の研究開発を後押しし、実験用に電波を使いやすくするほか、税優遇も検討する。

   1985年のNTT民営化前の日本電信電話公社時代から、大量の通信機器を独占的に納入するNECや富士通は「電電ファミリー」と呼ばれた。1990年代、米政府の圧力で門戸が開かれると国内機器メーカーは価格や性能で敗退。NTT自体も、事業や地域で分割されたこともあって、海外展開に後れを取った。NTTと、電電ファミリーの長男格だったNECとの資本提携を第一歩に、国策を担って次世代通信をめぐる国際競争に挑むことになる。

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