迫るジェットフォイルの世代交代
ジェットフォイルを25年ぶりに国内で新造したのは、技術者の世代交代で「今しかできない」という事情があった。米ボーイング社が開発したジェットフォイルを日本でライセンス生産しているのは川崎重工だが、同社では1989年から95年まで15隻を建造したもののその後発注は途絶えていた。同じ時期に一斉に建造したため、船の「世代交代」がないとニーズが生じない。
前出の青木さんによれば、東海汽船がセブンアイランド結を新造したのはセブンアイランド虹の老朽化があり、川崎重工の側も技術者の高齢化でこのままではジェットフォイルの建造が途絶えてしまうと「このタイミングを逃すと後がない」危機感があったとのことだ。他社でも例えば佐渡汽船でジェットフォイル新造の検討がなされているが、建造に至ったのはセブンアイランド結1隻にとどまっている。老朽化が課題となっている日本のジェットフォイルの世代交代第1弾が漕ぎ出す。