中東各地でアニメ放映、近年は漫画流通も
またアニメに関して保坂氏は、「ジョジョの奇妙な冒険」の漫画とアニメDVDの出荷停止についても言及した。
(関連記事:集英社、「ジョジョの奇妙な冒険」一部出荷停止、2008年5月22日配信)
「日本でもジョジョの奇妙な冒険のアニメの1場面で悪役がクルアーン(編集部注:イスラム教の聖典。コーランとも呼ばれる)を読んでいるというので、一部のあいだでのみですが騒ぎになりました」
保坂氏は、アニメ関係はアラビア語話者でも見ている人が多いので要注意だと述べる。実際、中東各地で日本のアニメは放映されており、現在は漫画の流通も進み始めている。さらには、エジプトの「エジコン」のように、日本の同人イベントのようなサブカルチャーイベントも開かれており、こちらの公式サイトを参照すると日本のマンガやアニメのキャラクターのコスプレを行う人が多数確認できる。このように、中東から日本のサブカルチャーへの関心は高い。アニメをめぐっては、昨年にも「鬼滅の刃」関連商品がイスラム教に関する音声を使用したために回収騒動が起こっている。
(関連記事:イスラム教音声を「不適切使用」 アニメ「鬼滅の刃」関連商品、出荷停止・在庫回収へ、2019年11月22日配信)
イスラム教に限らず、他国の文化的象徴を異なる文脈で用いることは注意が必要だろう。ツイステファンの中には、米人気タレントのキム・カーダシアンさんが補正下着ブランドに「KIMONO」と命名した問題を連想して、「私はあの時嫌だったし、海外からの抗議の声嬉しかったから協力したいな」とつぶやく人もいた。
(関連記事:下着に「KIMONO」命名問題、京都市長が「再考」要求 「私的に独占すべきものではない」、2019年06月29日配信)現在、ツイステのファンの多くは動物のアイコンを用いるなど、代用の絵文字を検討している。