地下に浸水のタワマンは大丈夫? 「反省」の川崎市は再発防止策
東急東横線、目黒線とJR南武線、横須賀線が交わる武蔵小杉駅(川崎市中原区)は、渋谷や品川、横浜に各15分ほどで行ける利便性が人気で、近くには多くのタワーマンションが立ち並ぶ。
昨年の台風19号では、街の雨水を川に流す排水管へ増水した多摩川の水が逆流し、市街地にあふれ出た。さらに一部のタワーマンションでは地下にあった電気設備が浸水して停電や断水が起きた。地下や1階に電気設備があるタワマンは他の地域にも多くあり、「うちのマンションも危ない」と騒然となった。
市によると、多摩川への排水口には水門があり、これを閉じれば排水管への逆流は防げたが、街中の雨水を排出できなくなると判断して、閉じなかったという。この反省を踏まえ、市ではこの春に検証報告書をまとめ、水門の操作手順を改めて逆流が確認された場合は全閉するなど再発防止策を決めた。
一方、浸水で停電したタワマン「パークシティ武蔵小杉ステーションフォレストタワー」(地上47階建て、643世帯)では、管理組合が中心となって被害の原因を調べるとともに、次の水害に備えて再発防止策づくりに着手。応急措置として、地下に水が流れ込まないよう、止水バルブを昨年流入があったと想定される経路すべてに設置したり、建物の出入口に止水板を設置して、より少ない人でも対応できるよう訓練も行ったりした。
脆弱さが指摘された、地下にある電気設備については、浸水リスクがない場所への移動も含めて「前向きに検討を実施中」(対応にあたった管理組合の理事)だという。