取引先の「ヘイト本」装丁にNO 音楽レーベル「カクバリズム」が異例の抗議、その背景は...

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   「どんな理由があろうと、ヘイトに加担することは許せません」――。取引先がヘイト本の制作に携わっていたことを受け、音楽レーベル「カクバリズム」が異例の声明を出した。

   ヘイトに対する自社の姿勢を明確に表明し、SNS上では大きな反響を呼んでいる。一体、どんな背景があったのか。

  • カクバリズムのツイッターより
    カクバリズムのツイッターより
  • カクバリズムのツイッターより

「今後も当該事務所とは話し合いを続けます」

   カクバリズムは2002年に設立。YOUR SONG IS GOOD、在日ファンク、cero などのアーティストが所属し、かつては星野源さんの音楽活動もマネジメントしていた。

   同社が注目を浴びたのは、2020年7月1日に投稿したツイートだ。

   「弊社の多くのデザインを手掛けている事務所が、近年ヘイト本のデザインを手掛けていることを知りました」と切り出し、こう続けた。

「どんな理由があろうと、ヘイトに加担することは許せません。我々も無自覚に加担してしまったと思います。申し訳ございません。良い方向に歩めるよう、今後も当該事務所とは話し合いを続けます」

   ツイートで指摘を受けた会社は同日、公式サイトで「これまでのお付き合いの流れがある会社とはいえ、内容を問わず受けられる仕事はすべて受けていたことが、結果として差別を助長、拡散する作業に加担していたことになっていたという事実に対して無自覚でした。大変申し訳ございませんでした」とお詫び文を掲載した。

   サイト上では過去の実績としてCDや書籍が並んでいたが、「差別に向き合った作品作りをしている会社の作品と、該当書籍が並んだことにより、その作品を貶める結果となっていた」ため、取り下げたという。

   その上で、「差別問題、人権意識と向き合い、学びながら、良い作品作りに邁進したいと思います」と誓った。

「あらゆる差別はあってはならない」

   カクバリズム社のツイートは約1万4000いいねを集め、

「デザイナーは受注産業。だけれど、だからこそ、どんな仕事を受けるかによって、その姿が形作られるのだと思う」
「デザイン会社だから色んな案件やってるのはわかるけど著名なバンド達のジャケに混じってヘイト本が並ぶのは流石に違和感でした」
「関係を切るではなく、話し合いを続ける、というところがすてきだなと思いました」
とさまざまな声が寄せられた。

   カクバリズムの担当者は6日、J-CASTニュースの取材に、声明の背景を「あらゆる差別はあってはならないものだと考えております」と説明する。

   今回の件を受け、「友人でもあり、長い付き合いのある」当該企業とは話し合いを重ねたといい、「甘いというご指摘もあるかもしれませんが、共にこの社会で生きる人間として、また会社として、より良い未来を目指し、ここで関係を終わりにするのではなく、お互いに差別問題、人権意識、さまざまな歴史について、共に学び、前に進んでいけるよう今後も話い合いを続けたいと考えています」としている。

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