プロ野球の中日が2020年7月7日、ナゴヤドームでヤクルトと対戦し延長10回1-2で敗れた。1点ビハインドの8回にダヤン・ビシエド内野手(31)のタイムリーで同点とするも、延長10回に守護神・岡田俊哉投手(28)が乱れ押し出しの四球を与えて逆転。延長10回の攻撃では2死満塁の場面で代打・三ツ間卓也投手(27)が三振でゲームセット。逆転の好機に代打で投手を起用せざるを得なかった与田剛監督(54)の采配に中日ファンから批判が殺到している。
与田監督「完全に僕のミス」
問題のシーンは1点ビハインドの延長10回裏の攻撃。先頭の遠藤一星外野手(31)がセンター前ヒットで出塁し1死後、高橋周平内野手(26)がライト前に運び1死1、3塁とした。2死から京田陽太内野手(26)が申告敬遠で満塁となった場面で岡田に打順が回ってきた。ここで与田監督が選択したのは、岡田に代えて投手の三ツ間を打席に送ること。一打サヨナラの満塁の好機に投手の代打に投手を送った。
与田監督にとっては苦肉の策だった。延長10回の守備でアリエル・マルティネス捕手(24)に代わって加藤匠馬捕手(28)を起用し、9番に入れた。この時点でこの日のベンチ入り野手16人をすべて使い切ってしまった。今シーズンは新型コロナウイルスの影響で特別ルールが適用され、延長は10回までになっている。接戦の状況でその裏の攻撃を残して野手を使い切り、サヨナラの好機にすでに切る札が残っていなかった。
試合後、与田監督は選手交代の判断を誤ったとして「完全に僕のミス」と反省した。一方のヤクルトは与田監督の「失態」を逆手に取り接戦をものにした。延長10回2死1、3塁の場面で打席には京田。その次の打者は岡田だ。ヤクルト陣営は、すでに中日が野手を使い切っていることを把握した上で京田を申告敬遠。塁をすべて埋めた上で中日が送り込んだ代打投手を三振に打ち取った。
選手への求心力低下を不安視する声も
1点を争う展開で総力戦となったものの、あと1回攻撃を残して野手を使い切るのは指揮官の初歩的なミスだ。監督本人は反省の弁を繰り返すも、収まらないが中日ファンだ。ネット上は大荒れ模様で、「プロの監督とは思えない」、「お粗末采配」など批判の声が殺到し、選手への求心力、選手のモチベーションなどを不安視する声も上がっている。
ヤクルト戦に勝利すれば5割復帰、3位浮上も見えていたが、指揮官の迷いの采配で借金「2」の4位。これに加えて守護神・岡田の押し出し四球も不安材料となっている。7月8日の第2戦は山本拓実投手(20)が先発のマウンドに上がる。