「大物」以外もみんなリモート
まず紅白だが、無観客なのは当然として、例年会場となっているNHKホールを使うこと自体が難しいだろう。大量のスタッフを大規模なホールに集めてしまえば、それこそ「3密」は避けられないからだ。
そこで考えられるのは「出演者のリモート出演」だ。「リモート紅白」は、6月1日に放送された「月曜から夜ふかし」(日本テレビ系)で、司会を務める「関ジャニ∞」の村上信五さん(38)が言及するなどすでに注目されている。
実際にやるとなれば、「複数のスタジオに分けて生放送する」という形で実施されるのではないだろうか。
具体的には、まず、司会者が入るメインスタジオを1つ用意し、進行はそこで実施。さらに、歌手が歌を披露するスタジオを複数用意し、そこで出場歌手が入れ代わり立ち代わり出入りして歌を披露する――いわば「入れ替え制出演」だ。こうすることで、1カ所に大量のスタッフが集まるのを防ぎつつ、歌手同士が鉢合わせするのも防止。結果、3密をいくらかは回避できるという算段だ。
つまり、メインスタジオから見ると、「歌手全員がリモート出演」の状態となるのである。また、場合によっては、全員が生放送で出演することをあきらめ、出場歌手によっては、これらのスタジオで事前に収録したVTRを使うという手もありだろう。
なお、紅白にとって「リモート出演」自体は決して初めてではない。というのも、紅白ではこれまでにも、「カウントダウンコンサートを開催中の歌手」など、「大物」を中心にNHKホールに来ていない歌手を、その会場からの中継で出演させるという手法を使ってきているわけであり、それを考えると、「リモート出演」自体は珍しくも何ともないのである。そうなると、2020年は「初の全員リモート出演」という意味で歴史に残る放送回となる可能性があると言えるだろう。