「世界で戦えるニッポン企業」に注目 東京エレクトロン株価が好調な理由

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「コロナ禍の中での需要の強さ」と「懸念材料」

   株価が上昇を続けたのは、業績予想発表後も投資家の買いを後押しする材料が相次いだためだ。6月29日に米半導体大手マイクロン・テクノロジーが2020年3~5月期決算を発表し、売上高が市場予想を上回ったことでコロナ禍の中での需要の強さが確認された。7月2日には日本半導体製造装置協会(SEAJ)が、2020年度の日本製の半導体製造装置の世界での販売額(日系企業の国内及び海外への販売高)が前年度比7.0%増の2兆2181億円となるとの見通しを発表した。SEAJは「予測の背景」として「テレワークや巣ごもり需要の拡大でデータトラフィックが爆発的に増加し、データセンタ関連需要が急増している」と指摘した。

   懸念材料はやはりコロナの影響。世界の人々の収入が減ることで最終製品であるスマートフォンの新規購入が鈍れば、半導体メーカーの設備投資を商機とする東京エレクトロンにもいずれ響いてくる。また、米中貿易戦争の行方次第では、米陣営にある日本の企業として中国メーカーに装置を販売しにくくなる可能性もある。とはいえ、数少ない日本の優良企業であることはまぎれもない事実で、当面は上昇基調が続くと予想する向きが多い。

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